リニューアブルディーゼルの実証実験が始まる
2025年7月、首都圏で菱倉運輸株式会社と伊藤忠エネクス株式会社が共同でリニューアブルディーゼル(RD)を使用した小口配送の実証実験をスタートさせました。この実証実験は、環境に配慮した持続可能な物流システムの構築に向けた重要な一歩と言えるでしょう。
環境負荷を軽減するリニューアブルディーゼルとは
リニューアブルディーゼルは、廃食油や廃動植物油脂といった食料と競合しない原材料から製造され、石油由来の軽油と比べて最大90%のGHG排出量削減が可能です。実証実験で使用するこの燃料は、シンガポールに本社を持つNeste Asia Pacific Pte Ltdから調達され、伊藤忠エネクスが供給します。
これまでの取り組み
両社はすでに名古屋港を拠点にトラクタヘッド1台の燃料をRDに置き換える実験を行っています。首都圏での配送においても、RDを活用することで、より広範囲にわたる持続可能な物流の実現を目指します。
未来の持続可能な物流に向けて
菱倉運輸は三菱倉庫グループの一員として、気候変動対策や環境保護の取り組みを積極的に進めています。また、伊藤忠エネクスも「社会とくらしのパートナー」としての経営理念のもと、持続可能な社会の実現に向けたエネルギーの供給と、環境負荷低減に努めています。
RDの取り組みの意義
今回の実証実験は、リニューアブルディーゼルが持つ「ドロップイン」ソリューションとしての特性を活かし、既存の車両や給油施設をそのまま利用できることも大きなメリットです。これにより、脱炭素施策にかかる導入コストを抑えつつ、GHG排出量の削減が期待されます。
さらに、リニューアブルディーゼルはすでに欧米市場での流通が確立されており、建設や輸送などの様々な分野での利用が拡大することが見込まれています。環境応答型のエネルギーとして、今後の発展が非常に楽しみです。
まとめ
菱倉運輸と伊藤忠エネクスによる今始まった実証実験は、リニューアブルディーゼルの導入を進める大きなステップになるでしょう。環境に優しい物流の実現に向けて、関係者全体での取り組みが期待されます。今後の成果に注目が集まります。