MSC海洋管理基金
2025-05-14 11:39:22

持続可能な漁業を支援するMSC海洋管理基金の助成金授与

持続可能な漁業を支えるMSC海洋管理基金の助成金授与



MSC(海洋管理協議会)が展開する海洋管理基金は、持続可能な漁業の推進と海洋生物保護に向けて、220万ドル以上の助成金を授与しました。この助成により、世界中の85件のプロジェクトが支援され、漁業界と科学界、さらにはNGOとの協力体制を強化し、環境保護への取り組みが加速します。

特に注目されるのは、神経科学者が開発した海洋哺乳類の混獲防止技術であり、ナミビアでのトロール漁業とえ縄漁業において導入されています。この新しい技術は、ミナミアフリカオットセイが漁具に接触しないよう、標的型音響驚愕技術を活用しています。オットセイの聴覚を守りながら漁業の操業を行うことができ、他の漁業にも応用可能な知見として期待されています。

また、今年度の助成は5つのビンナガマグロ漁業によるユニークな政府間協力にも向けられています。これらの漁業は、NGOや国際機関と連携し、科学に基づいた漁獲戦略を策定します。この取り組みは、長期的な持続可能性を見込んだモデルとして、新たな基準を示すものとなるでしょう。

海洋管理基金はその設立以来、2019年から今日に至るまでに、880万ドル以上を支援し、93件のプロジェクトが開発途上国で実施されています。これにより、世界の持続可能な漁業への取り組みが促進されています。

このような活動を支えるため、MSCは毎年、MSCラベル付き製品の販売によって得た使用料の5%を海洋管理基金に充当しています。これは、MSCが厳格な漁業認証基準を満たしている水産物に付けられるラベルであり、持続可能な漁業を実現するための重要な要素となっています。

発展途上国を含む30以上の漁業が今年度も持続可能な管理へ移行するための資金を海洋管理基金を通じて受け取っています。これにより、ヨーロッパマイワシの生態系管理やインド洋のサメの保護をはじめ、さまざまなプロジェクトの実施が見込まれています。

MSCの最高責任者ルパート・ハウズは、「2025年度の受賞者の皆様に祝意を表します。MSCのビジョンである生命にあふれた海を実現するためには、強力なパートナーシップとイノベーションが不可欠です。これらのプロジェクトは、協働の重要性とその力を示すものです。私たちは、この変革を支援できることを誇りに思っています」と述べています。

海洋管理基金の役割と意義



MSCが海洋管理基金を設立した背景には、海洋環境の保護と持続可能な漁業の確立があります。毎年、世界中で多くの漁業が海洋を利用し、地域経済を支えていますが、同時に生物多様性の損失や環境への影響も深刻な課題となっています。海洋管理基金はこうした課題に立ち向かうため、研究やイノベーションを通じて漁業の持続可能な発展を図るための助成金を提供しています。

特にMSCの認証は、漁業が持続可能な条件を満たすことを証明するものであり、消費者や企業が購入する際の信頼性を高める重要な要素となっています。また、国際基準を満たすことで、持続可能な漁業を広めるためのインセンティブとして機能し、持続可能な水産資源の確保を目指す大きな動きへとつながっています。

このように、MSCの海洋管理基金は、持続可能性を第一に考えた漁業の実現に向けて、科学的根拠に基づいた多角的な支援を行い、未来の海に向けた取り組みを加速しています。


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会社情報

会社名
一般社団法人MSCジャパン
住所
東京都中央区日本橋兜町9-15兜町住信ビル3階
電話番号

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