にゃんこそばが語るデータジャーナリズムの極意
2023年9月13日、デジタル地図開発のリーディングカンパニーであるマップボックス社の公式アンバサダー、にゃんこそばさんが、日本記者クラブで「IT講座2025」と題した講座に登壇しました。この講座のテーマは、「データで魅せる!データジャーナリズムの極意」。
約100名の記者が参加したこの講座では、データ報道におけるデータ分析や可視化の技術について学びました。にゃんこそばさんは、読者の心をつかむために必要なデータの解釈と表現方法に焦点を当て、Mapboxを使った実例を通じて具体的な技術を紹介しました。
講座の内容
講座はまず、「データ可視化の基本技法」から始まりました。データは単なる数の列で終わるのではなく、視覚的にわかりやすくすることが重要です。具体的な事例として、都市の中心部から半径15km以内の推計人口を示す「15km圏人口マップ」や、徒歩・自転車・車での移動可能範囲を示す「15 cities」が紹介されました。これらの作品は、単なるデータを超え、都市の魅力や課題を新たな視点で見つけるための手法を伝えています。
データジャーナリズムの重要性も強調され、身近なテーマである大都市の空き家問題や参議院選をケーススタディとして取り上げました。こうしたトピックに基づき、読者に刺さるビジュアライゼーションのテクニックや、データ集計や分析時の「陥りやすい罠」の回避策が解説されました。
講座の終盤では質疑応答の時間が設けられ、参加者からの具体的な質問が飛び交いました。特に、データ分析が複雑化した場合どうやって明確に伝えるか、可視化に適したツールの選定方法などが議題に上がり、デジタル報道の実務者同士の活発な意見交換が行われました。
データの「解釈」と「仮説設定」の重要性
にゃんこそばさんは、データを公開するまでの全体の流れにおいて、最後の可視化だけでなく、その前段階での「データ解釈」や「仮説設定」の重要性も強調しました。実際に、データ可視化にかける労力の約80%がこの過程に費やされるとのこと。これは、報道の信頼性と質を保つために欠かせない工程であると言えるでしょう。
マップボックス社は、こうした可視化までのプロセスを支援する、美しいカスタムマップやデザインツールを提供していく方針を示しました。データジャーナリズムにおける新たな潮流を生み出すためのサポートに期待が寄せられています。
にゃんこそばのプロフィール
にゃんこそばさんは、民間企業においてクラウドサービスの開発やビッグデータの利活用に取り組みながら、個人活動としても政府や自治体、民間の統計やオープンデータを分析し、様々な事例をSNSで発信しています。彼の著書『ビジュアルでわかる日本 データに隠された真実』は、多くの読者から支持を受けており、2025年10月には新たに『データでわかる東京格差 数値の「可視化」で真実をあぶりだす』を出版予定とのことです。
デジタル地図開発プラットフォームMapboxの公式アンバサダーに就任し、データ可視化の技術を広める活動にも力を入れています。詳細な活動や事例については、彼の公式Xアカウントやマップボックス社のウェブサイトから確認できます。
まとめ
今回の講座は、データジャーナリズムにおける新たな視点を学ぶ貴重な機会となりました。にゃんこそばさんの卓越した知識と経験は、多くの参加者にとって糧となり、今後の報道活動において大きな影響を与えることが期待されます。データをどう魅せるか、いかにして読者に響かせるか、これからもその技術は進化し続けるでしょう。