三重県御浜町の新規就農促進：みかん農業の未来を育む取り組み

三重県御浜町の新規就農促進：地域の未来を担う取り組み

三重県御浜町は、地域に根付いたみかん農業を次世代へと繋げるため、10年で100名の新規就農者を育成するプロジェクトを強化しています。農業の後継者を育てるこの挑戦は、2022年に立ち上げたプロモーションサイト「青を編む」や、SNSを活用した情報発信を通じて、新たな農業の担い手を迎える体制を整えています。軍都市部からの移住者が増えており、特に「みかん農家になりたい」と志す若者たちが注目を集めています。

みかん農業と新規就農希望者の急増

御浜町は「みかん、やったらええやん」と互いに言い合える町を目指し、新規就農の促進に注力しています。昨年度は、問い合わせ件数が急増し、来年度までには年間45件の就農希望者を見込んでいます。このような動きは、名古屋や東京といった都市からの移住者が多いことが特徴で、20代から50代までの幅広い年齢層が就農を希望しています。特に最近では、20代前半の女性も農業を学ぶ研修生として加わっており、地域の多様性が広がっています。

新規就農者としての研修体制も整っており、すでに1期生と2期生が独立し、現在も新たな研修生を受け入れ続けています。52年4月に独立する1期生の成功をきっかけに、2033年4月までに新規就農者を100名に増やすことが目標です。

農地確保の課題と解決に向けたアプローチ

新規就農者が増える一方で、農地を確保することが大きな課題となっています。御浜町では、農業の後継者が少ない中、地域の農地が荒廃する危険性もあります。最盛期には3,485人いた農家人口が2020年に795人に減少している現状からも、この問題は深刻です。特に、平均年齢が70代以上となる農家が多く、新規就農者の支援は急務です。

農地継承の仕組みを整えることによって、町内の荒廃した畑を再利用できるようにし、就農希望者が早く収入を得られる環境を整える必要があります。この取り組みは、新たな就農者だけでなく、すでに農業に従事している中堅・若手農家にとっても重要です。彼らが畑を持ち続けることで、地域全体の活力を保つことができます。

地域のシンポジウム開催と情報発信

新規就農促進に向けた情報発信も重要な施策として位置付けられています。御浜町では、農地継承の重要性を話し合うためのシンポジウムを2025年6月22日に開催します。このシンポジウムは、地域の農業の未来を考えるきっかけを創出するために、地元の農家、移住者、行政が集まります。実際に農業を行っている方はもちろん、農業に興味を持つ方たちにも来場を呼びかけています。

観光と農業を融合させた地域活性化

御浜町の農業は単なる産業にとどまらず、観光業や地域文化とも結びついています。農業が地域経済を支えるだけでなく、観光資源としても活用され、人々を引き寄せる存在となっています。町の魅力を高めるために、地域住民、農家、行政が一つになり、「みかん、やったらええやん」と言い合える環境づくりが必要です。

農業への新しいアプローチ

このように、三重県御浜町の取り組みは農業の未来を賭けた挑戦でもあります。農業を行いたいと考える人たちが集まり、地域で支え合う姿は、他の地域にとっても参考になるでしょう。新しい農業の形を模索し続け、地域が未来へと繋がっていく姿勢が、ぜひ多くの人に知っていただきたい点です。今後の御浜町の動向が楽しみです。