みさき公園から受け継がれた命アドベンチャーワールドのバンドウイルカ誕生

みさき公園から受け継がれた新たないのち

2025年11月6日、和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで、バンドウイルカの赤ちゃんが誕生しました。この赤ちゃんイルカは、2020年に閉園した「みさき公園」から引き取られた親から誕生しています。これにより、命が時を超えて新たな形で受け継がれていることが確認されました。

赤ちゃんの成長とサポート

誕生した赤ちゃんイルカは、母親を含むメスのグループの中で成長しており、周囲のイルカたちも彼女の子育てを支援しています。出産と育児未経験のメンバーは、この貴重な機会に他のイルカから学ぶ姿も見られるなど、繁殖の重要性が強調されています。鯨類繁殖プロジェクトチームは、これまでの出産経験を活かし、成功に向けた一歩を踏み出したと考えています。

赤ちゃんイルカは、誕生日を迎えた日から数週間経過した現在も元気に育ち、授乳行動も確認されています。親子はバックヤードのプールで生活し、次第に外部の環境にも慣れていくことでしょう。これからの成長を楽しみに待ちたいところです。

鯨類繁殖プロジェクトの取り組み

アドベンチャーワールドでは、2016年に鯨類繁殖プロジェクトチームが結成され、これまで多くの繁殖を試みてきました。しかし、海洋生物の繁殖は非常に難易度が高く、流産や育成の不良がしばしば起こり、安定した育成には大きな試練が伴います。このプロジェクトは、成功した出産に向けた環境の整備や、出生後の育成率を向上することを目指しています。

これまでの実績を見てみると、バンドウイルカに関しては1984年から2025年にかけて70回以上の出産を経験しており、そのうち22頭が元気に成育されています。これまでの努力が実を結び、さらなる未来への期待が寄せられています。

バンドウイルカの特性

バンドウイルカは、クジラ目マイルカ科に分類され、広く温帯から亜熱帯の海域に生息しています。その体長は約250〜380cm、体重は200〜400kgとなり、灰色の体が特徴的です。また、繁殖の際は通常1産1子で、妊娠期間は約12ヶ月です。メスは5歳から性成熟を迎え、その後繁殖可能な年齢に達します。

未来への願い

アドベンチャーワールドは、「いのちを見つめ、問い続ける。いのちの美しさに気づく場所」という理念のもと、すべての生命が共存し、自然資源が循環する未来を目指しています。また、SDGs（持続可能な開発目標）にも基づき、持続可能な社会の形成に向けた取り組みを続けていきます。

命のバトンが新たに繋がる様子を、ぜひ温かく見守っていきましょう。