築野食品工業が国産こめ油のリニューアルを発表
最近、築野食品工業株式会社はその名を知られる国産こめ油の一部シュリンクラベルを環境に優しい印刷技術である「ライスインキ」に変更しました。この新しい取り組みは、米ぬかの効率的な利用を象徴するもので、健康と美味しさを追求するだけでなく、食品業界における持続可能性も意識したものです。
ライスインキの特性と利点
ライスインキはバイオマスインキの一種であり、主成分として米ぬかを用いた印刷材料です。この技術を使うことで、従来の石油由来のインキを使用する必要がなくなり、環境への負荷を大幅に軽減することができます。また、米ぬかを原料にすることで新たに農地を開墾する必要が無く、地元の農業を活かした地産地消の価値も示しています。
さらに、このインキはこめ油の製造過程で生じる非可食部を使用しており、食糧の安定供給を図る観点からも社会的意義があります。これは築野食品の創業時からの理念である「食糧の安定供給」に基づいており、リニューアルされるパッケージには「このインキには、こめ油をつくる時の副産物を使用しており、食糧の安定供給に貢献しています。」という説明が追加されます。
創業者の思い
築野食品の創業者である築野政次氏は、戦後直後の過酷な食糧不足の時代に生きていました。彼はフィリピンのミンダナオ島で厳しい環境に遭遇し、「食糧の安定供給」に寄与する事業を立ち上げたいという強い思いを持ちました。それが現在の米ぬかを有効活用している事業につながっています。
当初、米ぬかは廃棄物として扱われることも多かったのですが、その利用価値を見出し、こめ油製造へと事業を拡大しました。お米の魅力を最大限に引き出し、「米ぬかを余すことなく使い切る」を企業のモットーに掲げています。
未来へ向けて
築野食品工業は今後も、米ぬかの成分を厉活用し、食品だけでなく医療や化粧品など多岐にわたる分野に展開を考えています。また、持続可能な社会を実現するために、地元産の米ぬかを使用し、地球環境に配慮した企業活動を推進していく姿勢を示しています。
国産こめ油500gおよび750gのパッケージは2025年1月製造分から順次新しいライスインキへと置き換えられ、その魅力を消費者に届ける予定です。築野食品工業の取り組みは、食品業界全体に新たな光を当て、持続可能な製品開発の未来を形作ることでしょう。
終わりに
築野食品工業が国産こめ油のパッケージリニューアルを通じて示した「ライスインキ」の導入は、米ぬかの持つ可能性と、持続可能な社会の実現に向けた一歩となります。これからの食品業界における環境への配慮や資源の有効利用の方向性を進めていく上で、彼らの取り組みは大変重要な意味を持っているのではないでしょうか。今後も築野食品工業の動向に注目です。