図書館職員の実態
2023-09-15 10:00:03
図書館職員の実態調査が示す業務の現状と課題
図書館職員の実態調査が示す業務の現状と課題
全国には3,000以上の公立図書館がありますが、その中で職員がどのような働き方をしているのか、またどのような不満を抱えているのか、株式会社アクセスセキュリティが実施した「図書館員が働く上での意識調査」の結果をもとに詳しく見ていきます。
調査概要と参加者
この調査は2023年7月20日から21日にかけて、大学図書館の職員500人と大学の事務職員501人を対象に実施されました。総数は1,001人で、 インターネットを通じた調査方法が採用されています。
図書館員として働く理由
調査の初めに、図書館員が仕事を始めた動機を尋ねました。ある30代女性は「図書館という場所が好きで、様々な人に本の楽しさを味わってほしい」と述べました。また、30代男性は「本の匂いが好きだから」と答え、図書館に対する強い愛着を示しています。多数の職員が本への情熱を背景にこの職業を選んでいることが伺えます。
雇用形態と勤務年数
現在の雇用形態について尋ねると、約72.2%が正社員として働いており、非正規雇用は約3割であることがわかりました。さらに、勤務年数については、約50%が1~5年の経験を持つ一方、10年以上のベテランは約19.9%となりました。
図書館司書資格の取得状況
図書館司書の資格についての質問では、全体の約74%がこの資格を持っていると回答しました。このことから、図書館員としての専門性の高さが伺えます。さらに、現職に就く前も図書館員としての経験を持つ方が約57.1%おり、長期にわたってこの職業に従事する傾向が見受けられます。
業務内容とその不満
図書館員の業務は多岐にわたります。調査によると、最も多い業務はカウンター業務(61.4%)、次に配架・書架整理(55.5%)と続きます。しかし、業務に対する不満も明らかになりました。約34.7%が図書館の設備や機能に不満を持っており、さらに職場の雰囲気や人間関係についての不満も多く寄せられています。このことから、図書館のハード面や職場環境の向上が求められていることがわかります。
設備や機能面の具体的な不満
具体的な不満としては、「エアコンがない」「動線が悪い」「古い本棚」という声が多く、利用者の快適性にも影響を及ぼす問題が浮き彫りになりました。
働き方の改善ポイント
図書館員としての働き方に関して、改善を希望する点も多く挙げられています。不満の中で最も多かったのは「ひとりあたりの仕事量」で、44.2%がこれを指摘しました。また、勤務時間や給与などに関する不満も高く、職員が直面している現実が明らかになりました。
図書館職員が得るメリット
その一方で、多くの図書館職員は業務を通じて得られるものも大きいと感じています。「一足早く新書を読める」「趣味と実益を兼ねられる」などのコメントが寄せられ、図書館員であることの魅力も示されています。
アクセスセキュリティの取り組み
アクセスセキュリティでは、図書館の混雑状況や在館状況を可視化するシステムを開発しています。このシステムは、リアルタイムで在館者数を把握することができ、利用者にとっても図書館での体験を向上させることを目指しています。特に、コロナウイルス感染症の対策としても活用されているこのシステムは、今後の図書館運営において重要な役割を果たすことでしょう。
結論
今回の調査を通じて、図書館員の業務がどれほど多岐にわたるか、そして彼らがどのような不満を抱えているのかが明らかになりました。図書館の設備や職場環境は、多くの職員が改善を希望している重要な要素です。また、図書館員として働く中で得られる魅力や喜びも多くあります。これらの結果を受けて、今後の図書館運営において、職員の意見が反映されることが期待されます。
会社情報
- 会社名
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株式会社アクセスセキュリティ
- 住所
- 東京都中央区日本橋堀留町2-1-8神野ビル2階
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