ガザの医療危機
2025-01-09 16:52:17

ガザ地区の医療危機:人工呼吸器と保育器が停止の恐れ

ガザ地区の医療危機:命を懸けた治療



2024年1月、パレスチナのガザ地区に位置するナセル病院とアル・アクサ病院、ヨーロッパ・ガザ病院が燃料不足に見舞われ、閉鎖の危機に直面しています。これらの医療機関では新生児を含め数百人の患者が治療中であり、救命に必要な電力が絶対条件となっています。しかし、危機的な状況が続く中、国境なき医師団(MSF)は、燃料供給の限界を訴えています。

現在、ナセル病院では停電が頻発しており、特に新生児集中治療室では人工呼吸器で治療を受けている3人の子供と15人の新生児が保育器に入っています。患者を支える電力は全て発電機からのもので、これが停止すれば命に直結する危険が伴います。この状況を救うためには、燃料の安定供給が不可欠で、MSFが行った限られた燃料供給でも36から48時間しか持たないとのことです。

「赤ちゃんたちは保育器に頼り、自らでは生きられない状態です。発電機の電力安定供給がなければ命が危ぶまれます。他の病院に移すことも考えましたが、それはさらなるリスクを生むのです。」とMSFの緊急対応コーディネーター、パスカル・コワサールは警告しています。ガザ地区全体が医療体制の崩壊に向かっており、すぐに対応が求められています。

ナセル病院は500床を有し、救急医療、産科、小児科、外傷治療を行っていますが、医療を提供するためには酸素供給が欠かせません。MSFは毎月100件を超える肺炎の患者を受け入れており、ここでも電力不足は医療行為に影響を与えています。加えて、100件以上の帝王切開手術を行っている現状もあり、全ての医療において電力供給が必要不欠です。

平常時でも搬送される資材のトン数が減少し、国家的な危機の下で医療物資が不足している現実が浮き彫りになっています。国連によると、2023年10月7日以前のガザ地区への物資搬送は1日当たり平均500台もあったトラックが、2024年12月には59台まで激減しています。ガザの人々が日常生活で必要とする食料、清潔な水、医薬品、その他の日用品さえも、十分に供給されていない状況です。

もし、このまま燃料の搬入や医療物資の供給が進まなければ、悲劇的な事態が訪れるかもしれません。MSFをはじめとする団体が警告しているように、ガザでの救命活動がこれ以上続かなくなってしまう危険が高まっています。国際社会もこの状況に目を向け、命を守るための支援を急ぐ必要があります。


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会社情報

会社名
国境なき医師団(MSF)日本
住所
東京都新宿区馬場下町1-1 FORECAST早稲田FIRST 3階
電話番号
03-5286-6123

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