ヤマシタ、中国でのビジネス展開に拍車をかける
介護用品のレンタルと販売を手がける株式会社ヤマシタは、来る2024年11月28日から30日に中国・北京で開催される「2024中国国際福祉博覧会」に出展することを発表しました。ヤマシタは、同博覧会において中国市場への取り組みをアピールし、将来的なサービス展開の拡大を目指します。
中国市場への狙い
近年、中国では少子高齢化が進行し、高齢者向け介護サービスの需要が急増しています。中国政府もこれに対応するため、介護政策を強化しています。このような市場環境の中で、ヤマシタは2010年代より早くも中国でのビジネス展開を始めており、今後の成長を期待されています。
今回の出展では、ヤマシタがこれまでに行ってきた中国でのサービス展開の事例を紹介する予定です。特に上海や天津といった都市において現地企業と組んで事業を拡大してきた実績を披露。さらに、これから介護サービスの導入を進めたいと考えている地方政府や企業の担当者にも魅力を伝えることを狙っています。
展示内容とアピールポイント
ヤマシタでは、実際の福祉用具のレンタルや販売、加えて住宅の改修に関するサービスを展示する予定です。特に、日本国内で人気の歩行器などを紹介し、製品そのものだけでなく、それに付随するサービスの重要性を訴える展開を考えています。また展示ブースは、JETRO主催の「ジャパンパビリオン」内に設置され、訪れる人々に対して日本の介護サービスの質を直接アピールする機会ともなります。
中国戦略の重点
ヤマシタは4つの主要な目標を掲げて、中国での「在宅養老(介護)フルサービスプラットフォーム」の構築を目指しています。その目標は次の通りです:
1. 中国全土での介護用品レンタル政策に沿った事業展開
2. 在宅高齢者向け介護リフォーム事業の拡大
3. 中国市場でのスマート介護の推進に向けたベンチャー企業との協業
4. 介護人材の育成や派遣を通じた人材不足の解決
これらの目標に向け、ヤマシタは現地のニーズを反映しながら、さらなる事業の充実を図っています。
2024中国国際福祉博覧会の概要
「2024中国国際福祉博覧会」は中国で最大規模の福祉及びリハビリ関連の展示会です。約400社が出展し、延べ50,000人の来場者が見込まれています。このイベントは高齢者向けの様々な製品やサービスが一堂に会する場であり、ただの展示会ではなく、業界内での情報交換や商業的な連携を促進する重要なプラットフォームです。
ヤマシタの成長を支える理念
1963年に設立されたヤマシタは、「正しく生きる、豊かに生きる」という企業理念を掲げ、徐々に介護業界での地位を確立してきました。現在、売上高は約303億円に達し、2030年には850億円を目指しています。また、デジタルトランスフォーメーション(DX)にも注力し、業界再編を見据えた成長戦略を遂行中です。
今後の展望
ヤマシタの戦略的な海外展開は、今後の高齢者市場において非常に重要な要素となるでしょう。2024中国国際福祉博覧会を機に、中国におけるビジネスの新しい可能性を切り拓くことが期待されます。