無償公開された「クラウドデザイン仕様」でクリエイターの力を引き出す

近年、クラウドコンピューティングの技術は、Webサイトやデジタルサービスの構築に欠かせない要素となっています。これを受け、クラウド関連のノウハウを広く共有するための新しい技術、「クラウドデザイン仕様」が無償で公開されました。本記事では、この仕様の詳細やその意義について解説します。

「クラウドデザイン仕様」とは？

「クラウドデザイン仕様」は、クラウドコンピューティングにおける調達プロセスを支援するための標準的な記法を提供します。この仕様によって、企業がビジネス目標を達成するための情報や、クリエイターがその意図を明確にすることが可能になります。特に、インフラストラクチャの構築を専門としないエンジニアやプロジェクト企画者が調達プロセスにより参加しやすくなることを目指しています。

具体的には、これにより関係者間でのコミュニケーションミスや要件漏れを防ぎ、クラウド調達に必要な情報を標準化することで、より効率的にプロジェクトを進めることができるようになります。これまでばらばらに集められていた情報が、整然とした形式で整理されることで、組織内外でのクラウド活用ノウハウの蓄積、共有、再利用が促進されます。

公開の背景と目的

この「クラウドデザイン仕様」は、急成長しているクラウドサービス市場のニーズに応じて開発されました。2019年4月のGartnerの調査によると、クラウドサービス業界の成長はIT全体の約3倍に達し、特にIaaS/PaaS分野では11兆円以上に迫ると言われています。こうした急速な市場成長の中で、クラウド活用ノウハウの蓄積と共有は大きな課題となっていました。

同仕様は、当社が展開する「レインディアプロジェクト」の一環として進められており、今後はオープンソースの関連ツールの提供やオープンデータベースの整備を通じて、この新技術の普及を図っていく方針です。

レインディアプロジェクトのビジョン

「レインディアプロジェクト」は、すべての人々がクリエイターとして活動できる社会の構築を目指しています。このプロジェクトでは、クラウドコンピューティングのノウハウをオープンに流通させることで、多様な価値観が生まれる豊かな社会の実現を目指します。すべての人が自由に表現し、価値を創出できる場を提供することで、富の再分配が行われることも期待されています。