シンプルフォームが人工知能学会全国大会にて論文を発表
シンプルフォーム株式会社(東京都目黒区、代表取締役CEO 田代 翔太)のR&Dチームが、2026年6月に開催される第40回 人工知能学会全国大会にて、「情報の非対称性を考慮したマネーロンダリングの検知精度の評価:シミュレーションデータを用いた定量評価」と題した論文を発表します。この論文は大会期間中にポスター形式で展示され、会期終了後には一般向けに公開される予定です。
発表内容の概要
本論文では、マネーロンダリングの検知精度について、理想的な条件と現実的な条件における性能差を明らかにしています。具体的には、複数の銀行の取引を観測できる「Multi-Bank View」と、単一銀行の取引に限定された「Single-Bank View」において、検知精度に顕著な違いが存在することが示されています。この成果は、シミュレーションデータを用いて定量的に分析され、以下のような重要な知見が得られました。
1.
理想条件と現実条件の違い: 複数銀行の全取引を観測できる理想的な環境であれば、マネーロンダリングの検知が高精度で行える一方、単一銀行の視点だとその精度が大幅に低下します。
2.
ハブ口座の問題: 取引が活発なハブ口座は、単一銀行ではその全貌を把握するのが困難で、情報の欠落が発生しやすいことが確認されました。
3.
再設計による改善: 口座単位のデータを活用しモデルを再設計することで、一部のモデルでは検知精度の改善が見られましたが、根本的な精度の差は解決が難しいとされます。
研究の背景と必要性
金融機関におけるアンチ・マネー・ロンダリング(AML)の研究の多くは、理想的な前提に立ったものですが、実際の運用では各銀行が持つデータは限られており、全取引の観察が不可能です。このため、シンプルフォームでは、仲介的なデータ情報を持つことで、より正確なリスクの評価ができると認識しています。特に、金融犯罪防止に関する取り組みは、各銀行が所持する情報単体では不十分であり、銀行間の情報共有と銀行外部の情報の活用が不可欠です。
このような状況を踏まえ、我々は以下の取り組みが重要であるとの結論に至りました。
- - プライバシーに配慮した銀行間のデータ共有基盤の構築
- - 顧客と取引の属性情報の集積・活用
これにより、各銀行の精度向上だけでなく、金融業界全体としての情報の可視化が進み、高精度なマネーロンダリング検知が実現できると考えています。
研究成果の今後の展望
今回の研究成果を基に、シンプルフォームはAMLにおけるAI技術のさらに進化を目指し、解析手法の公開や研究用データの配布といった形で業界全体への還元を進めていく方針です。現在、当社は「全ての法人がフェアに繋がれる世界」の実現に向けて、審査プロセスにおける高度な技術開発に邁進しています。
まとめ
シンプルフォームの研究が人工知能学会で評価されることは、金融犯罪対策の重要な第一歩と位置付けられます。今後の動向に目が離せません。
詳細な研究内容や最新情報については、人工知能学会の公式サイトやシンプルフォームのオウンドメディアをご覧ください。