建設現場の就業環境を改善する新型ファンジャケットと軽量ハーネスの開発

矢作建設工業が取り組む就業環境の改善

近年、日本の夏は異常なまでに暑くなっており、特に建設業界に属する作業員たちにとっては、過酷な状況が続いています。そこで、名古屋に本社を置く矢作建設工業株式会社は、職員の就業環境をより快適にするための様々な施策を行っています。特に注目すべきは、オリジナルのエアパッド付きファンジャケットとフルハーネスのリニューアルです。

ファンジャケットの新たな仕様

矢作建設工業が開発した新型ファンジャケットは、従来のデザインを改良し、フルハーネスの上に着用可能な仕様に変更されました。これにより、着脱がスムーズになるだけでなく、エアパッドが効果的に風通しを確保します。この結果、作業員の快適性向上に寄与し、熱中症リスクを軽減することができました。実際、従来のファンジャケットに比べ、首元の温度が2〜3℃下がることが確認されています。

軽量化されたフルハーネス

さらに、フルハーネスも約30%軽量化され、女性やシニア職員にとっても負担を軽減する設計が施されています。具体的には、従来のハーネスが約2.8㎏であったのに対し、新型は約2㎏に減量されました。このように、全ての現場職員が活躍できる環境作りを目指した取り組みの一環として、この軽量化は業務効率の向上にも寄与することでしょう。

開発の背景

近年の極端な気温上昇は、建設現場において深刻な課題です。熱中症のリスクが増大し、安全対策が求められています。特に、高所作業の際にはフルハーネスの着用が義務付けられるため、着用の煩わしさを軽減することが重要でした。そこで、矢作建設工業は、ユニフォーム制作企業と共に新たなファンジャケットとフルハーネスの開発に取り組むことになりました。

さらなる取り組み

矢作建設工業は、これまでに様々な熱中症対策を行ってきました。2015年にはユニフォームをリニューアルし、2021年にはオリジナルハーフパンツを導入しました。さらに、2024年にはヘルメットを約20%軽量化し、2025年にはフルハーネスとファンジャケットの新モデルを発表する予定です。これらの取り組みは、業界全体の安全意識を高めるだけでなく、現場作業員の快適な就業環境を実現するための一助となることでしょう。