JAグループが送り出す「ギュウリスト」
JAグループが全国8団体によって設立された一般社団法人AgVenture Lab(アグベンチャーラボ)は、農業の新たな未来を担う起業家を育成することを目的としたプログラム「GROW&BLOOM」を運営しています。その中から生まれたのが、和牛繁殖農家向けの牛群管理アプリ「ギュウリスト」です。このアプリは、繁殖管理の煩雑さを手軽に解消できることを目指しています。
「ギュウリスト」は、使用者が手袋をしていても10秒以内に記録できるという便利さを実現。また、電波の届かない牛舎でも快適に使えるオフライン設計となっており、分娩・発情予定を自動的に整理し、通知機能も搭載しています。このアプリは、リリースから約半年で口コミのみで利用が広がり、現時点では3人に1人の利用者が毎週の記録を行っています。
新たなAI機能を搭載したWeb版ベータ提供開始
今月16日には、「ギュウリスト」のWeb版ベータが公開され、AIチャット機能も追加されました。ユーザーは「今月の分娩予定は?」や「空胎が長い牛は?」といった質問をAIに投げかけることで、自分の農場の実際のデータをもとにした回答を得られる仕組みです。この機能により、繁殖管理がよりスムーズに行えるようになっています。
農業現場での記録管理の重要性
近年、全国の肉用牛繁殖農家の数は約3.2万戸と、この10年で約40%も減少しています。その一方で、残った農家の管理負担は重くなる一方です。特に、分娩や発情といった繁殖管理は、経営状況に直結するため、その見落としは避けなければなりません。このような背景から、鈴木克弥氏が開発した「ギュウリスト」は、紙ノートや自作Excelでの管理から脱却し、デジタル化を推進する試みとなっています。
豊富な機能が農業をサポート
Web版では、さらに以下のような機能が用意されています。
- - AI月次レポート: 月ごとの繁殖状況を分析し、来月の予定も予測してレポート化。
- - 牧場の牛群管理ビュー: 現状の分娩予定や妊娠状況をタブで切り替えて確認可能。
- - 産歴の統合表示: 各母牛の過去の出産履歴を一元管理し、平均分娩間隔などを把握。
- - 年間推移のデータ分析: 受胎率や出荷予測データを年次で確認できる機能。
- - 共有機能: 複数のユーザーが同じデータを使いながら権限を設定し、情報を共有可能。
- - 初期データ移行: 手書きの記録やExcelデータを簡単にアプリに移行できるサポートも。
これらの機能により、農業現場での日々の作業が大幅に効率化されることが期待されています。
GROW&BLOOM プログラムの意義
「GROW&BLOOM」は、JAグループの豊富なリソースを活かし、農業に新たな風を吹き込むためのプログラムです。本プログラムは、まだ明確なビジネスプランを持っていない方や起業間もない企業に対し、専門的な支援を行います。GROWコースそしてBLOOMコースに分かれ、起業のステップに合わせた支援が実施されるため、参加者は自身のビジネスを具現化しやすくなっています。
このように、Agriculture や IT などの異なる分野が重なり合うことで、農の未来に向けた新たな挑戦が生まれるのです。「ジギュウリスト」は、次世代の農業管理ツールとして、今後の発展に期待が寄せられています。