『残り時間の使い方』がもたらす新しい時間観
元外交官であり作家の佐藤優氏が、その大胆で深い体験を基にした新たな著作『残り時間の使い方』が、第3刷重版を迎えました。本書は、病気によって死を意識するようになった著者が、いかに限られた時間を有意義に使うかという考察を展開しています。
脅威の病気からの復活
著者は2022年に慢性腎不全が悪化し、人工透析を始めました。この時、一般的に考えると生死が危ぶまれる状況でしたが、2023年に妻のドナー提供によって腎移植手術が成功。これにより、10年生存率はびっくりするほどの9割まで上昇し、余命も20年に延びました。
この奇跡的な回復を経て、佐藤氏は自らの経験を反映させた時間に対する考察を行うこととなります。彼はキリスト教徒であり、この立場から「神が与えた命と時間をどう使うべきか」を問い直し、現代人が抱える時間への向き合い方を根底から再考させています。
時間泥棒を暴く
本書の最大のテーマの一つは、「時間泥棒」についての考察です。佐藤氏は著名な作家ミヒャエル・エンデの小説『モモ』を引用し、現代社会におけるSNSやスマホゲーム、資本主義システムがどのように私たちの貴重な時間を奪っているかを明示しています。
実際、総務省の調査によると、日本人のインターネット利用時間は1日あたり約3時間に達します。この多くが無目的な時間消費になっている現状を考慮し、著者は「他者時間」から「自分時間」を取り戻すための方法を具体的に提案しています。
人生における時間の質
もう一つのユニークな視点は、人生を「足し算の時間」と「引き算の時間」に分けて考えることです。45歳までの「足し算の時間」は知識や経験を蓄積していく段階、45歳以降はそれを活用し次世代に継承する「引き算の時間」として捉えることが重要です。本書では、人生の転機を悲観的に捉えるのではなく、新たな可能性を開く機会としてどう捉えるかを解説しています。
誰におすすめか
本書は忙しい毎日に追われていたり、定年後の人生設計に不安を感じている方、SNSやスマホに時間を奪われていると感じる方々に特にお勧めです。また、人生の後半戦を意義深く過ごしたいと考えているビジネスパーソンにとって、時間管理術を学ぶ絶好の機会です。
詳細な構成
本書の内容は以下のように構成されています:
1. 人生は時間泥棒との闘いである
2. 残り時間を意識した人生再設計
3. 「休養」と「教養」で自分時間を取り戻す
4. 1日、1日が充実できる時間の使い方
5. 幸せになるための残り時間の使い方
このように、佐藤氏の『残り時間の使い方』は、私たちに多くの示唆を与えてくれる内容となっています。著者自身の青天の霹靂ともいえる経験が織りなす時間哲学に触れることで、あなたの人生観が変わるかもしれません。
著者について
佐藤優氏は1960年に東京都で生まれた作家であり、元外務省の主任分析官です。同志社大学神学部を卒業し、平時の外交に携わった後、専門知識を深めるためにロシア語を学ぶなど、キャリアの多様性を持っています。著書には『国家の罠』や『自壊する帝国』などがあり、数々の受賞歴を持つ著名な人物です。
書籍情報
- - 書名:残された時間の使い方
- - 著者:佐藤優
- - 定価:1760円(本体1600円+税)
- - 体裁:四六判/208ページ
- - ISBN:978-4-295-41172-7
- - 発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング
- - 発売日:2025年12月26日
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