Z世代と上司の理想的な関係性
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が行った調査によると、Z世代や若手社員が理想とする上司像は「仕事のことを相談できる」とする意見が最も多く、職場におけるコミュニケーションの重要性が浮き彫りとなっています。この調査は、2025年7月30日から8月1日にかけて実施され、18歳から69歳の有職者を対象にしています。
調査において、Z世代の若手社員500名が掲げた理想の上司像は、以下の通りです。
1.
相談ができる(34.4%)
2.
丁寧に教えてくれる(32.8%)
3.
具体的なアドバイスをしてくれる(31.6%)
このように、Z世代は業務において密接なコミュニケーションを求める傾向があり、業務を通じてサポートしてくれる上司を心待ちにしているようです。
それに対して、上司・先輩500名に尋ねたところ、普段の若手社員に対する態度として「一緒に業務に取り組んでいる」(29.2%)という回答が最多でありました。しかし、若手社員が期待する「仕事の相談に乗る」姿勢は8位にとどまる結果となり、世代間でのギャップがあることが明らかになりました。これは、上司が若手社員の“相談に乗ってほしい”というシグナルを見逃してしまいがちであることを示しています。
理想の若手社員とは
一方で、上司・先輩が理想とする若手社員は「こまめに報告・連絡・相談をする」ことが1位(31.6%)で、若手社員の普段の行動としては「自分で考えて行動する」ことが最も評価されています。このように、両者には明らかに重なる点もあり、理想の姿を追い求める点では共通しています。
失敗と競争に関する意識
調査の中で、仕事における“失敗”の捉え方にも世代間での違いが見られました。Z世代の70.4%が「失敗は成長の糧になる」と感じているのに対し、上司・先輩では82.2%が同様に回答しており、上司が失敗を成長機会と捉える姿勢が高いことがわかります。競争についての考え方でも、Z世代の55.6%が「競争は成長の糧になる」と答えており、上司・先輩の64.0%と比較すると、若干低い数値となっています。
生活における価値観のギャップ
また、生活に関して、Z世代は「お金」や「趣味」を大切にしたいと考えているのに対し、上司・先輩層では「健康」が最も重要視されています。これは、世代間での幸福感や価値観の違いを象徴する結果となっています。
消費行動とSNSの影響
商品の購入時に参考にしている媒体も異なり、Z世代はSNSの影響が強く、InstagramやYouTubeを利用する傾向があります。それに対して、上司・先輩は利用者の口コミや家族・友人からの adviceを重視することが多いようです。この差は、デジタルネイティブ世代とその前の世代との大きな違いを示しています。
結論
この調査から、世代間のギャップを理解し、互いの価値観を尊重することの重要性が改めて認識されました。職場での円滑なコミュニケーションは、業務の効率を上げるだけでなく、働く環境をより良くするためにも必須と言えるでしょう。今後、企業はこのギャップを埋めるための施策を講じていく必要があります。