バウムクーヘンは日本の洋菓子の中でも特に人気が高く、その製造技術は職人の高い技術力に支えられています。しかし、技術の進化に伴い、業務用オーブンも新たな時代を迎えようとしています。株式会社不二商会と株式会社ユーハイムが共同開発した「THEO pro」は、そんな変革の一翼を担っているのです。
2024年6月に業務提携を結んだ両社は、それぞれの技術とノウハウを活かし、プロフェッショナル向けの1本焼きバウムクーヘンオーブン「THEO pro」を開発しました。このオーブンは、高品質なバウムクーヘンの焼成を可能にし、全国の不二商会製オーブンユーザーにも自然に馴染む設計となっています。
「THEO」プロジェクトはいまだ開発段階にありますが、2025年2月18日から21日に開催される「MOBAC SHOW」では、そのコンセプト機の焼成実演が行われる予定です。これは業界関係者にとって、革新的な技術を体感できる貴重な機会となりそうです。焼きたての味を実際に試食できる機会もあるため、訪問者には期待が寄せられています。
同展示会では、「SESSION 15/THEO:職人のためのフードテック」というセミナーも開催されます。このセミナーでは、不二商会の藤波社長とユーハイムの河本社長が「THEO pro」の特徴や魅力について詳しく解説します。事前に登録が必要ですが、最新の業務用バウムクーヘンの焼成技術を学べる機会をお見逃しなく。
「THEO pro」はまた、AIと連動した焼成設定を可能にすることで、効率的な生産とともに職人の技術をも再現することを目指しています。最終的には、バウムクーヘンの生産がこれまで以上に柔軟で他のビジネス機会を生む基盤となるでしょう。
今や食品製造分野において、AI技術は欠かせない要素となりつつあります。ユーハイムが開発したバウムクーヘンAI職人「THEO」は、その典型です。職人が焼成する際の生地の状態を画像センサーで解析し、それをAIに学習させることで、無人でも同等の品質のバウムクーヘンを生産する技術を実現しました。
この「THEO」は神戸市で初めて特別住民票の交付を受けたAI職人としても注目されています。神戸市とユーハイムの事業連携協定を受けて、スイーツ業界の振興に貢献する姿勢が伺えます。
要するに、業務用バウムクーヘンオーブンの新たなスタンダードが「THEO pro」の登場によって確立されつつあり、技術革新と伝統技術の融合が進んでいるのです。このプロジェクトによって、バウムクーヘン制作の未来は明るいものとなるでしょう。