海上運送法に基づく郵船クルーズへの警告とその背景

郵船クルーズ株式会社に対する警告

2023年12月16日、国土交通省は郵船クルーズ株式会社に対して、海上運送法に基づく行政指導として警告書を発出しました。この警告は、同社が実施した一般不定期航路事業において、安全管理規程に違反した事実が確認されたことを受けたものです。

警告の背景

問題の発端は、令和7年10月28日に発生した事故にあります。郵船クルーズが運航している客船「飛鳥3」が、門司港6号岸壁に着岸する際、岸壁に衝突する事故が起こりました。この事故を受け、国土交通省は11月21日および26日に同社に対して調査を実施しました。その結果、船長が事故発生時に必要な手続きを怠っていたことが明らかになりました。具体的には、船長は事故や異常事態が発生した際に、速やかに海上保安官署などに連絡しなければならないとされているところを、連絡をしなかったというのです。

警告内容と再発防止策

国土交通省の警告の内容には、船長に対して事故処理基準及び安全管理手引書に従い、事故の状況や講じた措置について速やかに報告するよう指示しています。郵船クルーズには、令和8年1月19日までに、これに関連する具体的な措置を文書で報告することが求められています。これは、事故の再発を防ぐための重要なステップといえるでしょう。