婚活の選択肢を広げる「どっちの姓でショー」
東京都に位置する特定非営利活動法人、結婚相談NPOが先日、婚活における姓の選択肢を実験できる新しいウェブアプリ「どっちの姓でショー」を公開しました。このアプリは、結婚の際に妻側の姓を名乗るという選択肢を広めることを目的としています。ルーレット形式で姓を選ぶというユニークなアプローチで、ユーザーに楽しく姓の選択を体験してもらうことができます。
対象となる結婚観とは?
近年、選択的夫婦別姓制度の導入に関する議論が盛り上がっていますが、多くのライフスタイルにおいて、慣習的に夫の姓を選ぶという傾向が依然として強いことが示されています。内閣府の調査(令和6年)によると、夫の姓を選択する夫婦は94.1%に達しており、この現実に対して女性からは「女性側の姓を選択する婚活は可能か?」といった声が多く寄せられています。しかし、実際に妻の姓を選びたいと考えている男性は少なく、認知度の向上が求められています。
アプリの開発背景
結婚相談NPO代表の影山氏は、「姓を選ぶことについての認識を変え、男女どちらにとってもより良い結婚生活の在り方を模索していくために、このアプリを開発しました」と述べています。アプリはシンプルに設計されており、夫婦がそれぞれの姓を入力し、ルーレットを回すだけで結果が表示されます。この楽しさを通じて、姓に対する柔軟な考え方を育むことを目指しています。
婚活における姓選択の意義
結婚相談所「ブライダルサポーター」では、これまでの10年間にわたって多くの婚活支援を行ってきました。その中で、「姓に関してこだわりがない男性」の存在が浮かび上がっています。実際、妻の姓を名乗った男性スタッフの意見もあり、「特に不都合は感じていない」という声も寄せられています。この実情を反映することによって、より多くの男性が妻の姓を選ぶことに対して積極的になれるのではないかと考えています。
名乗る姓は個人の選択
気になるのは、「妻の姓を名乗ること」が「婿養子」に結びつけられることがある点です。しかし、選択的夫婦別姓の制度を導入するには養子縁組は不要ですので、広く理解されるべきです。多くの女性が「婿養子になる必要はなく、姓を選びたい」という希望を抱いていることを知ることが重要です。
結婚相談NPOの理念
結婚相談NPOは2013年に設立され、少子高齢化問題や未婚化に対する草の根活動を行ってきました。障がい者や非正規雇用者など、様々な背景を持つ方々が安心して利用できる結婚相談の提供を目指しています。今後、姓選びの問題を解消しやすくするために、さらなる啓発活動に努めていく所存です。
「どっちの姓でショー」は、結婚を考える多くの人々にとって、新しい選択肢を提供し、日常的な会話のきっかけとなることを期待しています。今後の活動にぜひご注目ください。