若者の歯周病リスク
2021-11-08 14:00:03
マスク生活が影響する若者の歯周病リスクとケア方法
マスク生活が影響する若者の歯周病リスクとケア方法
11月8日は「いい歯の日」です。この日を前に、日本歯周病学会と日本臨床歯周病学会が実施した調査によって、長引くマスク生活が若者の歯周病リスクを高めていることが明らかとなりました。2021年に行われたこの調査では、20代から70代の男女7,766名を対象に、歯の健康意識や行動についてのデータが収集されました。
調査結果の概要
調査結果に見ると、リモートワーク化が進行する中で、特に20代と30代の間食の頻度が増加している傾向が見られました。コロナ以前に比べて、20代では23%、30代では20%が間食を増やしたと回答しています。これに伴い、口腔内の健康への影響が懸念されます。食べ物が増えることで歯や歯肉に対する攻撃が増し、ケアが不足すると、虫歯や歯周病のリスクが高まってしまいます。
加えて、起床時の歯磨きを時々行うという若年層が20%を越えたことも公共の関心を呼び起こしています。若者にとって、起床後の歯磨きは重要ですが、この習慣が不十分なことが、口内環境に悪影響を及ぼす結果となります。就寝中に唾液が減少し、細菌が増殖することを考えるとなおさらです。
歯と口腔ケアの意識は高まるも、検診不足が目立つ
コロナ禍の影響で、20代と30代の約半数が自らの歯と口腔の健康を意識するようになりましたが、実際に定期的に歯科医療機関を受診している割合は依然として低いのが現実です。具体的には、20代の49%、30代の46%が1年以上の間に歯科検診を受けていないと回答しています。
このような状況は、特に若年層の口腔健康への危機感を薄れさせている要因と考えられています。歯周病は進行するまで自覚症状が少なく、気づかない間に悪化することが多いため、定期的な検診が欠かせません。
マスク習慣と口腔ケア
調査に関して日本臨床歯周病学会の理事長である高井康博氏は、マスク着用によって口呼吸が促進されることが、唾液の分泌を妨げ、歯周病のリスクを高める要因となると指摘しています。口呼吸は唾液が持つ自然の防御機能を阻害し、口内環境が悪化することが考えられます。
特に、マスクを着用していることによるストレスにより、口の渇きを訴える人も多いのが現状です。このことが、歯周病リスクの低年齢化を助長している懸念が広がっています。
効果的なケア方法
小方氏によると、効果的な歯周病ケアとして、就寝前と起床時の歯磨きを強調しています。また、唾液腺のマッサージも行うことで唾液の分泌を促進し、口腔の健康を維持することが望ましいとされています。特に、バス法や1歯ずつの縦磨きが、歯周病予防において効果的だと言われています。
まとめ
良い口腔健康を維持するためには、まず自身の意識を変えることが大切です。この「いい歯の日」を契機に、歯の健康について考え、適切なケアを行う習慣を身につけることが今後の健康維持につながります。特に、定期的な歯科検診を受けることが、長い目で見た時の大きなリスク回避につながります。
このように、マスク習慣の影響、そして周囲への意識が重要な時期に来ています。若者たちが健康な集団として成長するために、しっかりとした口腔ケアを実施し、意識を高めていくことが求められています。
会社情報
- 会社名
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特定非営利活動法人 日本歯周病学会
- 住所
- 東京都豊島区駒込1-43-9 駒込TSビル (一財)口腔保健協会内
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