2025年2月の国内景気動向
2025年2月、国内景気は物価上昇や寒波の影響から2カ月連続で悪化したことが、株式会社帝国データバンクの調査結果として発表されました。景気DI(景気判断指数)は前月比0.1ポイント減の43.5となり、全体での悪化が顕著に表れています。
調査の背景
今回の調査は全国の26,815社を対象に行われ、有効回答を得た企業は10,835社。調査期間は2025年2月14日から2月28日までのインターネット調査です。特に、1月から始まった寒波が個人消費に悪影響を与え、観光産業や建設業界も影響を受けたとのことです。
物価上昇と個人消費の低迷
物価は米や鶏卵を含む食品の値上がりによって高騰し、特に寒波の影響で個人消費が低調に推移しました。また、宿泊業や飲食業はオフシーズンに寒波が重なり、観光業の景況感が2年ぶりにマイナスへと転じています。一方で、農業関係では米価の上昇が好材料となり、農業関連業界の景況感は少し上向いています。
業界別の動向
業界別に見ると、10業界中6業界が悪化したことが分かります。特に製造業とサービス業が大きな影響を受けています。製造業の景気DIは39.8となり、特に輸送用機械や器具の製造が厳しい状況で、過去7カ月で最も低い数字です。また、サービス業のDIも49.0に留まり、飲食店の経営環境も厳しい状況が続いています。
建設業の厳しい状況
建設業は「新規物件の着工控えが目立つ」との声もあり、悪化が続いています。一方、農林水産業は米の高値がプラス要因となり、改善を見せていますが、全体の影響を考えると依然として厳しいかもしれません。
今後の見通し
今後の景気は個人消費の拡大が重要なカギになると見られます。ただ、燃料価格の高止まりや借入金利の上昇が影響を及ぼす可能性があり、楽観視できる状況ではありません。特に海外リスクや経済の不透明感は業界のボトルネックになると考えられます。
まとめ
全体として、2025年2月の国内景気は物価上昇と寒波の影響を受け、個人消費や観光産業の低迷が目立つ結果となりました。今後の回復には、賃上げによる消費のてこ入れが期待されていますが、リスク要因も多く、横ばい傾向が続く見通しです。これからも業界の動向に注目が集まるでしょう。