AnthropicとSalesforceが規制業界向けAIを強化
2023年10月14日、米国のSalesforce(セールスフォース)とAnthropic(アンソロピック)は、規制産業やデータ機密性が重視される業界向けに信頼性の高いAIを提供するため、戦略的パートナーシップを拡大すると発表しました。この提携により、両社は企業が直面する様々な課題を解決し、業務効率を大幅に向上させることを目指しています。
主要な新たな取り組み
今回のパートナーシップ拡大には、以下の三つの重要な取り組みが含まれています。
1.
Claudeの導入
AnthropicのAIモデル「Claude」が、Salesforceの「Agentforce 360」プラットフォームに基盤モデルとして採用されます。この集約により、Claudeは金融サービス、ヘルスケア、ライフサイエンスなどの規制産業向けに推奨されるAIモデルとして活用され、機密データの安全性を担保しつつ業務プロセスに組み込まれます。
2.
共同開発
AnthropicとSalesforceは、Agentforce 360プラットフォームを通じて特化型AIソリューションを開発することを予定しており、まずは金融サービス業界から取り組みを始めます。
3.
ClaudeとSlackの統合
また、ClaudeとSlackの深い統合を進め、ユーザーは普段使用している業務アプリで革新的なAI体験を享受できる環境を整える計画です。これにより、日常業務の中でAIの力を最大限に活用できるようになります。
期待される効果
パートナーシップの拡充により、Salesforceの顧客はClaudeの持つ強力なAI能力を活用して、より迅速かつ正確な意思決定を行うことができるようになります。具体的には、金融アドバイザーはAIエージェントに顧客データの分析を依頼し、複雑な業務プロセスを効率化することが可能になります。例えば、顧客ポートフォリオの要約や業界要件の特定をAIに頼むことで、従来何時間もかかっていた作業を数分で完了できます。
RBC Wealth Managementのロヒット・グプタ氏は、「Amazon Bedrock経由のAnthropicとAgentforceの統合により、顧客対応に必要な準備作業を劇的に削減し、アドバイザーは顧客との関係構築に集中できるようになる」と語ります。
セキュリティと信頼性
Anthropicは、Salesforceの信頼境界内に完全に統合された初の大規模言語モデルプロバイダーです。Claudeを通じて提供されるすべてのデータはSalesforceの仮想プライベートクラウドで処理され、機密性の高い業務データを安全に守ります。この技術により規制の厳しい業界でも安心してAIを利用することができます。
エンジニアリングチームの効率向上
Salesforceは、グローバルのエンジニアリング組織内でClaude Codeを配布し、開発者のプラットフォームが生産性向上につながることを目指しています。これにより、エンジニアは開発プロジェクトをより迅速に進行させることが可能になります。また、SlackとAgentforce 360プラットフォームの統合により、エンジニアリングチームはSlack内でのコミュニケーションから得られた情報をそのまま業務に活かせるようになります。
まとめ
AnthropicとSalesforceの提携は、反響を呼ぶことが予想されます。規制産業向けの信頼性の高いAIソリューションを提供することで、企業の業務フローを根本的に変える可能性を秘めています。業界特化型のAI技術がどのように進化するのか、今後の展開に注目です。