中学生の睡眠不足解消に向けた教材を2025年度も提供継続

中学生の睡眠不足解消に向けた教材提供の重要性

近年、中学生の睡眠不足が社会問題化しており、その解消に向けた取り組みが求められています。そこで、パラマウントベッド株式会社が開発した「睡眠の大切さを学ぶ教育プログラム」は、自らの睡眠習慣を見直すきっかけを中学生に提供する目的で作られました。この教材は2022年6月から無料で配布されており、2024年度までに全国で延べ7万人以上の生徒が受講しました。特に、受講した生徒の9割が満足したと回答したことから、その効果が実証された形です。

教材の開発背景と特長

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、中高生に推奨される睡眠時間は「8～10時間」です。しかし、実際のところ、2021年の調査によれば中学生の平均睡眠時間は「7.5時間」に過ぎず、年齢と共に減少する傾向が見られました。これは、スマートフォンの普及や部活動、塾通いなどにより、生活リズムが大きく変化するためです。

こうした現状を踏まえ、パラマウントベッドは20年以上にわたる睡眠研究を背景に、株式会社ARROWSと協力して教育プログラムを開発しました。この教材は教育指導要領に基づいており、教員は使用しやすい映像やスライドを活用して授業を行うことができます。事前準備の手間を軽減しながらも、学校のニーズに応じた柔軟な授業展開が可能です。

教材の効果と生徒の意識変容

2024年度にこの教材を受講した中学生を対象に行ったアンケートでは、有効回答数4,030人のうち9割が「満足した」と回答しました。また、授業を受けた後、「睡眠は自分の人生に関係がある」と感じた生徒は86%から95%に増加しました。このように、教材の導入によって生徒の睡眠に対する意識が大きく変わったことがわかります。

教員からも高評価を得ており、95%が「教材に満足した」とし、96%が「他の教師にも推奨したい」と回答しています。「教科書にしかない知識を超えた内容」であるため、教員は自信を持って授業を行うことができるといった意見も寄せられています。