ダークパターン問題に向き合う
近年、ウェブサイトやアプリのユーザーインターフェースにおいて「ダークパターン」という用語が注目されています。この構造は消費者を意図的に誤導するためのデザイン手法として理解されていますが、果たしてそれは真実なのでしょうか?
株式会社コンセントが主催した「CONCENT DESIGN SCHOOL」のセミナー「ダークパターンの先へ ーデザインでつくるこれからの社会ー」では、この問題に対し新たな視点を提供する取り組みが行われました。2025年1月よりこのセミナーのアーカイブ動画が無料配信されることが決定しました。
ダークパターンの実態
ダークパターンは、意図的に消費者を欺くために設計されたインターフェースを指します。しかし、OECDの報告書でも明示されている通り、悪意のない設計でもダークパターンにつながる可能性があります。例えば、企業が売上や顧客データを増やすための戦略として、消費者を欺くことを意図せずにダークパターンを利用してしまうことがあります。このように、さまざまな要因によりダークパターンは生まれるのです。
ダークパターンの阻止には消費者庁を始めとした公的機関による規制が必要です。しかし、単に防止策を考えるだけでは不十分です。私たちはデザインの力を活用し、消費者を尊重した情報提供方法を模索する必要があります。
セミナーの内容と目的
CONCENT DESIGN SCHOOLでは、ダークパターンを回避するためだけでなく、デザインで何ができるかを考えることが目的です。セミナーの内容は以下の三つに分かれており、長谷川敦士代表が講師を務めました。
1.
ダークパターンの構造的問題
まず、ダークパターンの分類や生まれる背景について解説しました。実は、無意識のうちにダークパターンが使用されるケースが多いことがわかりました。
2.
ユーザーをめぐる非対称性
続いて、法律とデザインがユーザーに与える影響の非対称性について議論が交わされました。この問題は現代のビジネス環境でますます重要です。
3.
デザインの可能性
最後に、ダークパターンを避けるためにデザインがどのように貢献できるかを探りました。たとえば、利用規約の表現をユーザーが理解しやすい形で提供する手法などが紹介されました。
まとめ
このセミナーのアーカイブ動画は、2025年1月7日に公開されます。視聴は無料で、デザイナーや企業の経営者、行政機関の方々まで幅広い層が参加できる内容となっています。デザインがもたらす力を再考するきっかけとして、多くの方々の視聴をお待ちしております。
持続可能なデザインの実現に向け、コンセントは今後もより良い社会作りに取り組んでいきます。