KPMGコンサルティングによる経営と人事の連動調査
KPMGコンサルティング株式会社は、経営戦略と人事戦略を統合することが企業にとって重要であるとし、日本企業の取り組み状況を調査しました。近年、人的資本の重視が高まる中、企業がその重要性を理解し、実際にどのように活用しているのかがポイントとなります。
人的資本経営の重要性
企業価値を高めるためには、人的資本開示が進められており、多くの日本企業がその実践に取り組んでいます。しかし、単に指標を開示するだけではなく、いかに経営戦略と人事戦略を結びつけ、連動させるかが新たなトップマネジメントの課題と言えるでしょう。
調査内容
調査対象は、人的資本に積極的かつ先進的な取り組みを行っている東証プライム上場企業73社で、各社の有価証券報告書などを基にした詳細な評価が行われました。調査の焦点は、人的資本ストーリーと人材ポートフォリオの成熟度についてです。
人的資本ストーリーの成熟度
調査結果によると、約50%以上の企業がKPIとその目標値を示していますが、経営戦略と人事戦略の接続を具体的に示している企業はわずか20%にとどまりました。97%の企業が人的資本を重要視していると言いつつも、経営と人事の接続にコミットしている企業は少ないのが実情です。経営戦略に基づく人事戦略を掲げている企業は約40%ですが、独自の価値を創出できる企業となると、実に10%以下に減少します。
人材ポートフォリオの成熟度
人材ポートフォリオでは、7割の企業が何らかの人材タイプを設定しています。しかし、実際にはその設計が経営戦略に連動しているかは10%のみ。多くの企業が中長期の戦略に沿った形で人材ポートフォリオを整備できていないことが示唆されました。
理想の連動の実現に向けて
経営戦略と人事戦略が理想的に連動するためには、人事部門単独でなく、経営層や様々な部門との連携が求められます。また、CHRO(最高人事責任者)やHRBP(人材ビジネスパートナー)が経営視点を持ち、議論をリードする姿勢が必要とされます。
調査の目的と意義
この調査は、経営戦略と人事戦略の連携の実態を捉え、どのようにして人的資本を企業価値の向上に繋げるかを明らかにすることを目的としています。調査結果は、企業が今後の戦略を考える上での重要な指標となるでしょう。特に、日本の企業は長らく経営と人事の分断が問題視されてきたため、この調査を通じて具体的な改善策を見つけることが期待されます。
KPMGコンサルティングは、これらの調査を元に企業の変革を支援し、持続可能な成長を支える戦略を提供していく意義があると強調しています。