犬の皮膚病と飼い主の悩み
2021-04-14 11:00:06
犬の皮膚疾患に対する飼い主の心理的負担と治療選択肢の現状
犬の皮膚疾患に対する飼い主の心理的負担と治療選択肢の現状
近年、犬にアトピー性皮膚炎をはじめとした皮膚疾患を抱えるケースが増加しています。これに伴い、犬のオーナーたちの心理的ストレスが高まっていることを示す調査が行われました。この調査は、ゾエティス・ジャパン株式会社によって実施され、515名の犬オーナーを対象に、皮膚疾患を持つ犬の飼い主の悩みや課題に焦点を当てています。
調査結果の概要
調査結果からは、犬の皮膚疾患が特に夏にかゆみを引き起こすことから、飼い主たちの心配が増していることが明らかになりました。実際、調査に参加した飼い主の86.6%が「愛犬が痒そうにしている様子を見るのが辛い」と答え、83.7%が「愛犬の皮膚の状態や治療が心配」と感じていることが分かります。さらに、47%の飼い主が周囲の視線が気になると答えており、皮膚病は飼い主にも大きな心理的負担をかけていることが浮き彫りになりました。
経済的・時間的負担
調査では、犬の皮膚疾患に関して飼い主が感じる経済的、時間的な負担も高いことが示されています。「治療費が負担」と感じるオーナーは76.9%に達し、69.9%は「定期的な通院が負担」と回答。さらに、57.7%の飼い主が「毎日の皮膚ケアに時間が取られている」と感じており、50.1%が「フケなど部屋の掃除が大変」とも述べています。これらの結果は、皮膚疾患を持つ犬の管理が飼い主の日常生活にどれほど影響を与えているかを示しています。
見た目に現れる症状
ペットの皮膚病は、見た目にも明らかな症状が見受けられます。調査によると、最も多くの犬が「皮膚が赤くなる」症状を示しており、これが51.3%に達しています。また、「フケが多く出る」という症状が32.2%を占め、犬が自ら皮膚を掻く行為が42.3%を占める結果になりました。これらの行動は、皮膚の傷みを悪化させる要因となっています。
周囲からの視線
さらに、他者からの視線についても調査が行われ、「愛犬がかわいそうと思われている」と感じる飼い主が57%に達しています。ほかにも、48.8%の飼い主が「ケアを怠っている」と思われている気がすると答え、43%の飼い主が「他の犬へ感染すると考えられている」と感じていることが報告されています。これらは、皮膚病の見た目の特徴が周囲の反応にどのように影響するかを示しています。
治療薬とその現状
治療法についても調査が行われ、現状では「外用ステロイド剤」が41%を占めるなど、ステロイド系の治療薬が主流となっています。一方で、近年では新たな治療選択肢も増加しています。特に「アポキル錠」や「犬インターフェロンγ」などの新しい治療法が登場し、飼い主にとって選択肢が広がっています。
飼い主の意識の変化
また、コロナ禍を経て、飼い主が愛犬に関心を持つようことが増えたことも調査で明らかになりました。具体的には、82.1%の飼い主が愛犬との関わりが増えたと答え、77.7%は皮膚の変化に気づくようになったと回答しています。これは、在宅勤務などにより、愛犬と過ごす時間が増えたことが影響していると言えます。
結論
犬の皮膚病は、飼い主に大きな精神的、経済的負担をかけていますが、新たな治療法や意識の向上により、改善の兆しも見えてきています。正しい情報をもとに、愛犬の健康を守ることが重要であり、飼い主たちは一層の理解を深める必要があります。今後も愛犬との生活が快適になるよう、飼い主同士での情報交換や、専門家の意見を参考にすることが求められるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
ゾエティス・ジャパン株式会社
- 住所
- 東京都渋谷区代々木3丁目22番7号新宿文化クイントビル
- 電話番号
-
03-5309-7900