アナログな組織論が再評価されています
2026年1月14日、東京ビッグサイトで開催された「第1回事業拡大支援EXPO」において、株式会社イマジナの代表取締役社長、関野吉記氏が特別講演を行いました。デジタル化が進む中、なぜ多くの経営者がアナログな組織論に注目するのか、その背景には深刻な経営環境があるとされています。
経営環境がもたらす三重苦
2026年は、日本企業にとって厳しい経営環境が待ち受けています。まず第一に挙げられるのは「深刻な人手不足」です。調査によれば、正社員不足を感じる企業が半数を超え、採用の難しさが事業継続のリスクとして浮上しています。
次に「止まらないコスト増」が問題です。消費者物価指数の上昇と円安の影響で、企業の利益率は圧迫され続けています。生活必需品すら価格が上昇する中、企業は一層厳しい舵取りを求められています。
最後に「マーケティングの飽和」が挙げられます。AIの進化により、コンテンツが爆発的に増加し、従来の情報発信方法では顧客の目に留まることが難しくなっています。これにより、多くの経営者が「売上を上げたい」と「人を採りたい」という二つの課題に悩まされています。
組織論への回帰
セミナーで関野氏が強調したのは、マーケティングの主語を「商品」から「人」「組織」に変えることの重要性です。AIがキャッチコピーを生成できる時代において、機能や価格だけでの差別化はもはや不可能です。社員の熱量や企業文化の重要性が再評価されていることから、多くの経営者がアナログな視点に立ち戻り、組織のあり方を見直そうとしています。
さらに、関野氏は「根本教育」の必要性を語り、挨拶や感謝、利他の精神が顧客との信頼関係を築くための合理的なビジネススキルであることを訴えました。最新の技術やツールは、人が使いこなして初めて効果を発揮します。もし、利用者が他者に対する想像力を欠いていれば、ただの迷惑メールを量産するだけに終わることもあります。
インナーブランディングの力
関野氏は、インナーブランディングが採用と売上を同時に改善する施策であることを強調しました。自社の理念に共感する社員が働く企業には、その理念に共鳴した顧客のみならず、求職者も惹かれることが分かっているからです。インナーブランディングに投資することは、マーケティングコストと採用コストの両方を下げる最も効果的なアプローチです。
参加者の熱い反応
セミナー後の参加者からは多くの感想が寄せられました。「マーケティングのセミナーだと思って参加したが、組織の『あり方』を見直すことが集客につながると学んだ」という意見や、「関野社長の言葉に経営者としての覚悟を問われた」との声もあり、参加者の胸に強く残ったことが伺えました。
終わりに
2026年のマーケティング環境において、AIやデジタル技術の利活用は依然として重要ですが、関野氏が指摘するように、人間の「熱量」や「文化」が選ばれるブランドを形成する鍵となるでしょう。情報が溢れる中、組織の原点を見つめ直すことが、新たな価値を見出す第一歩となります。彼の言葉が、多くの経営者やビジネスリーダーに新たな視点を提供することを期待したいと思います。