住友林業が10年連続で「ウッドデザイン賞」を受賞
住友林業株式会社は、2024年の「ウッドデザイン賞」で、共同開発した部材や研究内容を含む全10点で見事に受賞しました。この業界での賞の受賞歴は、実に10年連続を誇ります。この賞は、木の良さや価値をデザインの力で再構築し、建築や空間、製品などを評価するために設けられた顕彰制度で、日本ウッドデザイン協会が主催しています。
ウッドデザインの意義
ウッドデザインとは、木材を用いることで社会課題の解決を目指す活動です。住友林業グループは、昨年度に続き、今年度も「建築・空間分野」、「技術・建材分野」、「調査・研究分野」の全てで受賞を果たしました。
受賞作品は、質の高いライフ&ワークスタイルや森林・林業の持続性向上、心身の健康に寄与することを目指したものです。各作品は、生活の質を向上させるだけでなく、環境保護にも寄与することが求められています。
受賞プロジェクトの詳細
住友林業が受賞したアイデアは以下の通りです:
1. 日本の暮らしを愉しむ家
コロナ禍をきっかけに、テレワークが普及し家庭での時間を大切にする需要が高まっています。この受賞住宅は、田の字型の配置を取り入れた間取りで、和室を中心に続き間をデザイン。国産材をふんだんに使用しており、大分県の地場産業も尊重されています。これにより、懐かしくも新しい「和」を体現する家として、多くの家庭に支持されています。
2. ヴィラ
三重県多気町にあるVISON内の宿泊施設「ヴィラ」は、自然環境に溶け込むシンプルな木造建築で、プライベート空間を提供します。地元のヒノキ材やスギ材を使用することで、寛げる空間を創造。ゲストは多気の大自然を楽しみながらリラックスした時間を過ごせるようになっています。
3. 木被覆角形鋼管柱
この新技術は、角形鋼管の耐火被覆を木材で実現。独自の二層構成で耐火性能を向上させ、施工の手間を軽減しています。木材を使用することで、温かみのある空間を提供し、環境への負荷を軽減する効果も期待されています。
4. 木質ハイブリッド集成材有孔梁
この商品は、木材で耐火被覆した梁部材であり、設備配管用の貫通孔を設けながらも、デザインの自由度を高めることができます。設計の柔軟性を持ったこの技術は、建材のコスト削減にも貢献します。
5. 心理療法室の木質化
住友林業は、木材の使用による精神的な効果を調査。20名のうつ病患者を対象に、木質化した診療室が治療に与える影響を研究し、好印象を与えることが示されました。このような取り組みは、病院での木の活用を進める一助となるでしょう。
木材を未来へ活かす
住友林業は、「Mission TREEING 2030」を掲げ、健全な森林経営と持続可能な社会の実現を目指しています。木材を利用することは、単に建築物を作るためだけでなく、私たちの暮らしを豊かにし、環境を守るために重要な役割を果たします。
これからも、住友林業の取り組みに注目し、持続可能な未来に向けて進化していく姿を見守りたいと思います。