IBMとSalesforceが実現する企業データの最適化とAI活用の新時代

IBMとSalesforceが切り開く未来

企業が持つデータの価値は計り知れません。IBMとSalesforceは、企業がそのデータをエージェント型AIの活用において新たに扉を開くためのパートナーシップを発表しました。この取り組みでは、IBM ZメインフレームとDb2データベースからのビジネスデータへのアクセスを可能にし、AIがどのように企業の効率化を助けるかに注目しています。

企業データの力

企業のデータは、AIモデルやエージェントを学ぶための重要な要素です。これまでIBMは、信頼性とセキュリティに優れたIBM Zメインフレームを用いて、多くのミッション・クリティカルなトランザクションを処理してきました。この新しい統合により、企業が保有するデータをAIエージェントが有効に活用できるようになり、SalesforceのAgentforceプラットフォーム上で新しいAIのユースケースが創出されることになります。

Thinkイベントでの発表

6月に提供が予定されている新たな統合に関して、IBMの年次イベント「Think」では、Salesforceと連携したIBM watsonx Orchestrateで構築されたエージェントと、新たなIBM Graniteモデルのパフォーマンスが披露されました。このコンセプトは、AIエージェントがIBM Zメインフレームのデータを活用してバックオフィスとフロントオフィスをつなぐ力をもつことを保証するものです。

安全かつ迅速なデータ接続

IBMは、SalesforceのData Cloudとの統合を通じてデータを迅速に転送できることを可能にし、ゼロコピーを活用することでデータの移動をより効率化します。このイノベーションは、特に銀行や金融サービスといった規制の厳しい業界において、大きなインパクトをもたらすでしょう。Salesforceのサービス責任者であるラウール・アウラドカー氏は、データの流動性が今日の環境においての課題であるとし、ゼロコピーによる安全で迅速な接続の重要性を強調しました。

営業エージェントの導入

さらに、IBMとSalesforceはwatsonx OrchestrateとAgentforceを統合し、見込み顧客の営業を支援する新たなエージェントを開発中です。このエージェントは、営業担当者が効果的に見込み顧客を特定し、成約率を高められるよう設計されています。数カ月以内にはサービスを提供予定で、対話型インターフェースを通じて他のエージェント間での相互作用も行えるようになります。

人事業務におけるAIエージェント

また、Slackに導入されるIBM watsonx Employee Support Agentは、人事業務の効率を改善するためのエージェントです。これにより、社員は煩雑な業務から解放され、本来重要な業務に集中することが期待されます。人事に関する問い合わせの94%がこのエージェントから答えられるようになるとのこと。

IBM Graniteモデルの評価

さらに、IBMのAIモデルであるGraniteが、Salesforce CRMのベンチマークで高評価を獲得しました。この小規模かつ特化型のAIモデルは、企業向けアプリケーションの生成AIモデルとしての可能性を広げます。

今後の展望

IBMは、これらの新しい取り組みによって企業のデータやAIの活用が進むことを期待しています。IBM Consultingを通じ、企業が複雑なCRMやAI環境に適応できるよう支援し、Salesforceの活用を促進していきます。これにより、長期的なプラットフォームの拡張性やサポートの充実が実現され、企業が新たな革新の波に乗ることを目指しています。詳細は、IBMの公式サイトを参照してください。

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