NUSの新投資発表
2025-09-19 13:18:13

シンガポール国立大学がディープテックに新たな投資枠組みを発表

シンガポール国立大学の新たな一歩



2025年9月16日、シンガポール国立大学(NUS)の起業支援部門、NUSエンタープライズが新たな関係構築を発表しました。この日は、シンガポールにおけるディープテックの革新拠点としての役割をさらに強化するための2つの重要な共同投資パートナーシップと国際教育イニシアティブが明らかにされました。

新しいイノベーション拠点「i3ビル」の開所



今回の発表は、同日オープンした新しいイノベーション拠点「i3ビル」の開所式で行われました。新たな拠点は、NUSエンタープライズが推進するさまざまな起業活動の中心となり、ディープテックや革新的なスタートアップの成長を支える役割を果たします。

ディープテックへの投資拡大



NUSエンタープライズは、シンガポール経済開発庁(EDB)およびEnterprise Singapore(ESG)と提携し、SG Growth Capitalという新たな共同投資枠組みを立ち上げました。この枠組みでは、ディープテック企業や選定されたベンチャーキャピタル(VC)ファンドへの投資が強化され、資金の流入が期待されています。具体的には、SG Growth Capitalの評価に基づき、NUSエンタープライズの投資額がマッチングされます。

さらに、NUSエンタープライズは、Lotus Singapore Groupの一部であるLotus One Investmentと、2000万シンガポールドル(約23億円)の共同投資契約を締結しました。両者は、NUSから派生したスピンオフ企業やVCファンドを共同で支援し、スタートアップへの共同投資によって得た利益を、NUSエンタープライズのイノベーション支援プログラムに再投資します。

これにより、BLOCK71東京や名古屋などのグローバルネットワークに属するスタートアップへも支援が拡大し、VCファンドへの共同投資がさらに広がることでしょう。

NUS VCプログラムの新展開



今回の発表は、2025年に始まった「NUS VCプログラム」に関連しています。このプログラムには、NUSエコシステム内で有望なスタートアップを支援するための1億5,000万シンガポールドル(約170億円)の資金が用意されています。特に「National Graduate Research Innovation Programme」(National GRIP)から誕生したスタートアップにフォーカスし、初期段階の技術革新支援を強化します。

NUS VCプログラムは主に以下の2つの柱で構成されています。
1. VCファンドへの投資
NUSは、初期段階のディープテック投資に優れた実績を持つVCに対して、5,000万シンガポールドル(約39百万米ドル)を投資します。これにより、スタートアップは専門知識やネットワーク、実践的な支援を受けることができるようになります。
2. スタートアップへの共同投資
また、NUSはスタートアップに特化した独立運用型の投資ファンドに1億シンガポールドル(約78百万米ドル)を拠出し、有力なVCパートナーとの柔軟な共同投資を実現します。

教育・研究・ビジネスの包括的連携



NUS学長のタン・エンチェイ教授は、この取り組みがスタートアップに資金やネットワーク、専門知識へアクセスを広げ、ディープテックやイノベーションを促進するNUSの役割を強化すると語っています。また、シンガポールや地域といったエコシステムの活性化にも寄与するはずです。

タン・シアン・ウィー博士も、SG Growth CapitalとLotus One Investmentのサポートにより、NUSのエコシステム内のディープテックベンチャーの価値ある資源が増えると期待しています。

スタンフォード大学との連携プログラム



また、NUSエンタープライズはスタンフォード大学との共同で、Khetan財団から寄付を受けて200万シンガポールドル(約2億3,000万円)のパイロットプログラムを開始しました。「NUS-Stanford Khetan Foundation Launch Pad」と名付けられたこのプログラムでは、NUSの工学系学生が国際チームに参加し、実際の産業課題に対して解決策を共創する機会が提供されます。

フライホイールモデルの構築



NUSエンタープライズは、教育・研究・事業化・資金の統合を通じて、優れた人材の育成やスタートアップの加速を図り、持続的なImpactを創出しています。「i3ビル」はこのフライホイールの中心地となり、シンガポールの起業家精神を世界に広める役割を担います。

NUSとそのエコシステムの影響



シンガポール国立大学は、アジアでの教育・研究の中心地として機能し、グローバルなアプローチで社会課題に取り組んでいます。NUSエンタープライズは、今後10年間で10億人の生活を改善することを目指し、テクノロジーと人材を結集させることで未来に貢献することを目指しています。

公式サイト





画像1

会社情報

会社名
NUS Enterprise
住所
21 Heng Mui Keng Terrace, Level 5, SingaporeNational University of Singapore, NUS Enterprise
電話番号

トピックス(IT)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。