近年、私たちの働き方は劇的に変化し、特にコロナ禍以降、その進展は加速しています。この変化に伴い、在宅勤務と出社勤務の両立に関する意識が高まりつつあります。株式会社プロフェッショナルバンク(本社:東京都千代田区)が実施した最新のHRに関する意識調査によると、企業の経営者や人事担当者の82%が、自社の制度運用について適当であると感じています。ひところのリモートワークの急激な普及から出社回帰の動きも見られる中、どのような働き方が今後のビジネスに最適か、その実態を探ってみましょう。
調査の概要
この調査は2025年に実施され、1,060人の経営者および人事担当者からの回答を集めました。調査対象は、IT、情報通信、不動産、金融など、在宅勤務と出社勤務を両立できる企業が含まれています。調査方法は、インターネットを通じたもので、フルリモート、完全出社、ハイブリッド型など、さまざまな勤務形態に関する意識が分析されました。
フルリモート勤務の現状
フルリモートが可能な企業の経営者や人事担当者の92%が、自社の制度運用は「適している」と考えています。この結果から、フルリモート勤務の制度が企業文化や事業特性に合わせて適切に運用されていることが伺えます。
特に、コスト削減や採用戦略においての優位性が重要な理由に挙げられています。たとえば、オフィスの縮小や通勤コストの削減といった具体的なメリットは高い支持を集めています。しかし同時に、成長実感の不足や業務上の支障が懸念されているのも事実です。
完全出社の意義
一方、完全出社においては、約40%の経営者が業務パフォーマンスの向上をメリットとして挙げています。従業員同士のエンゲージメント向上や顧客対応の質の向上が期待されるため、企業文化に深く根ざした働き方が求められています。しかし、出社環境のコストやワークライフバランスの低下が課題とされています。
ハイブリッド型運用の利点
最近注目を集めているハイブリッド型運用では、リモート勤務の利点を活かしつつ、企業のニーズに柔軟に対応するスタイルが確立されています。従業員の生活様式に応じた勤務形態が可能なため、多くの企業で導入が進んでいます。調査結果では54%のハイブリッド型運用企業が、理想に近い制度としては最も支持を集めました。
経営者たちの声
調査では、さまざまな経営者や人事の声も見受けられました。フルリモート運用の企業からは「通勤時間がもったいない」「場所を選ばず働ける環境が重要」といった意見が寄せられる一方、完全出社企業からは「業務パフォーマンスの向上は出社が基本」との反響もありました。ハイブリッド型では「従業員の生活スタイルに応じた柔軟性が求められる」といった意見が多く見られました。
まとめ
在宅勤務と出社勤務の互換性、またハイブリッド型の実用性は、今後の働き方のスタンダードになる可能性があります。企業文化や働き方の多様化が進む中、各企業の経営者や人事担当者はこの新しいトレンドにどう対処するか、より実効的な制度の構築が求められています。プロフェッショナルバンクの調査は、この進化の一助となるでしょう。