東京海上ディーアールとPrivate AIが業務提携を締結しリスクマネジメントを革新

東京海上ディーアールとPrivate AIの業務提携の背景

2023年10月、カナダのテクノロジー企業Private AI Inc.が、東京海上ディーアール株式会社と戦略的業務提携を発表しました。この提携は、非構造化データの活用を通じて、企業のAI導入を加速させることを目的としています。両社はリスクマネジメントとAI技術の融合により、安全なデータ活用を実現しようとしています。

非構造化データの課題

近年、企業がAIを利用するためには、自社が保有するデータを効果的に活用することが求められています。しかし、企業が扱うデータの大部分は非構造化データであり、これを適切に処理・活用することが課題になっています。例えば、メールや音声記録、文書ファイルなど、多様な形式のデータが存在しますが、これらはプライバシー保護の観点から、適切な管理が難しいとされています。

このような状況の中、企業は規制対応や情報保護を行うことが求められ、非構造化データがAI活用の障壁となってしまっています。特に、生成AIや大規模言語モデル（LLM）といった最新技術の導入には、データ管理の課題を解決する必要があります。これらのことから、企業における競争力維持と社会全体の持続可能な発展には、非構造化データの活用が重要なテーマとなっています。

提携の意義

今回の業務提携により、東京海上ディーアールのリスクコンサルティングの専門知識と、Private AIの最先端技術が融合します。これによって、企業は非構造化データに伴う課題を解決しつつ、効率的かつ安全にAIを活用できるようになります。

Private AIの技術

Private AIは、独自の機械学習技術を駆使し、データ内の個人情報や機密情報を自動的に特定し、秘匿化することを可能にしています。特に、日本語を含む52カ国の言語に対応する能力があり、日本特有のデータに関する高精度な処理が行える点がその強みです。

また、Private AIの技術は法令遵守を考慮し、多様な形式の非構造化データに対応しています。これにより、企業が今まで活用できなかった情報を、安全かつ正確に利用することが可能になります。

東京海上ディーアールの考え

東京海上ディーアールのCDOである大野有生氏は、Private AIとの提携に大きな期待を寄せています。氏は、同社のデータ匿名化技術はプライバシー保護や規制遵守の面で特に優れており、自社のデジタル戦略にとって重要なパートナーとなると述べています。これにより、データ活用とプライバシー保護の両立を実現し、クライアントのビジネス価値向上をサポートするとしています。