長崎に新会社設立、スマート養殖で水産業を支援するCACの挑戦
2025年1月6日、株式会社シーエーシー(CAC)が長崎県に新たな子会社、「株式会社ながさきマリンファーム」を設立しました。この新会社は、水産業の持続可能な発展を目指し、最新のIT技術を活用したスマート養殖事業に取り組みます。
設立の背景
CACは、2019年に長崎県に拠点を開設して以来、地元の課題解決や地域振興に貢献するための活動に取り組んでいます。特に水産業のサステナビリティが強いテーマの一つとされています。しかし、養殖業は高齢化や飼料価格の高騰といった複合的な問題に直面しています。また、資金調達の面でも課題が多いのが現状です。
これらの課題を解決するために、CACは金融向けのシステム開発に関連する技術と、画像認識AIの知識を活用することにしました。具体的には、生け簀内の魚の体長や重さをAIが算出し、養殖業者の作業負担を軽減すると同時に、算出されたデータを用いて養殖魚の資産価値を決定する「魚体鑑定」を行う仕組みです。
技術の実証を重ねた結果、これを商業化するために自ら養殖業を展開し、稚魚から成魚までの生産と販売を実践することとなりました。漁業権の取得など、地域関係者との協力を得ながら2025年5月から事業をスタートする予定です。
新会社のコンセプトと今後の取り組み
「ながさきマリンファーム」は、CACが開発した各種ITシステムを実際に養殖現場に導入することで、スマート養殖を展開します。具体的には、IoTやAIを利用して作業の効率化と生産性向上を図り、そのデータをもとに新たな経営モデルを創出します。さらに、養殖魚価値データを用いて金融機関からの資金調達を円滑に進める仕組みも構築していく予定です。
新会社の養殖場運営は、技術実証に協力いただいている地元企業、株式会社昌陽水産と連携して行われます。新会社の成果は、水産業全体にポジティブな影響を与え、長崎をはじめとした日本の養殖業の発展に寄与することを目指しています。
新会社の概要
- - 会社名:株式会社ながさきマリンファーム
- - 所在地:長崎県長崎市矢上町32番13号
- - 代表取締役:北牧 利朗
- - 事業内容:漁業および水産養殖業、水産物加工、冷凍および売買、情報処理サービスなど
- - 設立日:2025年1月6日
- - 資本金:2000万円
- - 出資比率:株式会社シーエーシー100%
株式会社シーエーシー(CAC)概要
- - 所在地:東京都中央区日本橋箱崎町24番1号
- - 代表者:代表取締役社長 佐別當宏友
- - 資本金:4億円(東証プライム上場CAC Holdingsの100%子会社)
- - 事業内容:システム構築サービス、システム運用管理サービス、業務受託サービス
- - コーポレートサイト:https://www.cac.co.jp/
新会社の取り組みは、日本の水産業に新たな風を吹き込み、地域の経済発展にも大きく寄与することが期待されています。期待される成果は、長崎県内だけでなく全国各地の養殖業にも多大な貢献をすることでしょう。