SplinkがNEDO支援事業に認知症診断AI技術の開発で採択

Splinkが提供する新たなAI技術

株式会社Splinkは、ブレインヘルスケアに特化したスタートアップであり、医療AIの最前線で活動しています。この度、同社は国立研究開発法人NEDOの「ディープテック・スタートアップ支援事業（DTSU）」において、「認知症診断の最適化を実現する汎用的AI脳画像診断技術の開発」が採択されました。このプロジェクトでは、認知症診断フローにおける課題を解決し、医療現場への新たな診断ソリューションを実現することを目指しています。

認知症の社会的影響

認知症は特に高齢者に多く見られる疾患であり、今後ますますその発症リスクが高まることが予想されています。2025年までには、日本国内で65歳以上の700万人がこの病に苦しむとされています。介護保険費用だけでも20兆円に上るとされており、社会的、経済的負担は膨大です。また、患者やその家族に対する心理的影響も大きく、この深刻な問題に対処するための標準化された検査手法と効果的な予防策の実施が急務となっています。

趣旨と目的

本プロジェクトの目的は、AIを活用して認知症診断技術を向上させることです。特に、現行の診断プロセスでは医師の経験に依存が強く、誤診や見落としのリスクがつきまといます。また、高度医療機器の普及も遅れており、適切な診断が受けにくい状況です。さらに、症状の進行を追跡する仕組みの不足もあり、治療が遅れがちな現状を改善するため、このプロジェクトに取り組む意義があります。

新たなAI脳画像診断技術

「認知症診断の最適化を実現する汎用的AI脳画像診断技術」の開発は、2022年に採択されたNEDOの「脳卒中と認知症のMRIデジタルバイオマーカーの開発とAI実装」へと遡ります。この研究成果を基に、低コントラストな脳のMRI画像から深部領域を正確に抽出する技術を発展させ、診断をより迅速かつ高精度に行うことを目指します。Splinkは、国内の神経領域アカデミアとの連携を強化し、効果的な社会実装を進める予定です。

DTSUの背景

NEDOのディープテック・スタートアップ支援事業は、革新的な技術を持つスタートアップに対し、資金と研究開発の支援を行う制度です。この支援により、技術の社会実装が加速し、経済社会課題の解決に寄与します。2024年度は約200億円の助成が目指され、さらなるスタートアップの支援が期待されています。

Splinkのビジョン

Splinkは、「すべての人につながりを、その日まで」をビジョンに掲げ、認知症の早期発見から診断支援まで一貫したソリューションを提供しています。自社開発の診断ツールやAIプログラムを用いて、医療の平等性向上に貢献し、すべての人が良質な医療を受けられる社会を目指しています。このような取り組みを通じて、認知症に対する新たな視点を提供し、100歳まで自分らしく生きられる社会の実現に寄与したいと考えています。

株式会社Splinkは、東京都港区に本社を構えており、2017年に設立された医療機器プログラム事業を展開する企業です。その取り組みは今後の医療現場に革命をもたらす可能性を秘めており、注目が集まっています。Splinkの代表取締役である青山裕紀氏は、今後の展望に自信を持っており、さらに多くの人々に貢献できるよう、日々奮闘しています。