株式会社オリゼが発表した新しい米麹ソース製造法とは
2026年3月9日から12日にかけて開催された「日本農芸化学会 2026年度大会」において、株式会社オリゼが新たに開発した米麹ソースの製造法が注目を集めました。同社は東京都渋谷区に本社を置き、伝統的な発酵技術を活用して社会課題に取り組む企業です。この度の発表では、金沢工業大学の尾関健二教授との共同研究の成果を発表し、レジスタントプロテイン(RP)を高含有する米麹ソースの製造方法が紹介されました。
背景と目的
米由来の難消化性タンパク質「レジスタントプロテイン(RP)」は、腸内環境の改善やコレステロールの低下に役立つとされ、近年注目されています。しかし従来の米麹ソース製造では、麹菌がタンパク質に無効吸着してしまうことで、RPの効率的な製造が難しいという課題がありました。今回の研究では、前処理の最適化と食塩の添加による酵素活性の向上を目指しました。
研究方法
研究の対象は、米麹およびお米の削りかす(白糠・上白糠)を使用した製造工程です。原料である米粉の加熱処理(110℃でのα化)を行い、さらに糖化工程での食塩(NaCl)添加が酵素活性に与える影響を定量的に評価しました。
研究結果
米麹および白糠を使用したソース製造の際、加熱処理を施すことでRPの量が従来の手法に比べて増加しました。また、微量の食塩を加えることで、酵素の無効吸着を効果的に抑制し、糖化時間を何とわずか2時間に短縮することに成功しました。これにより、製造コストの改善はもちろん、甘味と塩味の絶妙なバランスにより、ソースのおいしさも向上することが期待されています。
今後の展望
この研究成果を基に、オリゼはさらに新しい発酵甘味料「オリゼ」の製造プロセスを革新し、以下のビジョンを掲げています:
- - 機能性成分(RP)を強化した高付加価値製品の開発
- - 環境負荷の削減を目指したサステナブルな生産体制の構築
- - より幅広い食品カテゴリーへの発酵素材の提供を通じたコスト改善
発表概要
この研究は、「日本農芸化学会 2026年度大会」にて、オリゼのCTOである河原あい氏を筆頭に、多数の研究者が共同発表を行いました。今後の発展に期待が寄せられています。
発表者プロフィール
河原あい氏は、米麹を使った甘味料の開発に情熱を注ぎ、発酵食品の分野で革新を進めています。同氏は、博士課程で乳酸菌の遺伝子解析を用いた研究を行い、2024年にオリゼに参画しました。
会社情報とミッション
株式会社オリゼは、発酵甘味料「オリゼ甘味料」を通じて、健康的な社会の実現を目指します。この会社のミッションは生活者、環境、伝統文化、企業など、すべての関係者に利益をもたらすことです。発酵技術を駆使し、持続可能な社会の創造に貢献する姿勢が、ますます期待されています。