ゾエティスが新たに開発した抗菌剤「ドラクシンKP」
ゾエティス・ジャパン株式会社が、2025年1月23日に発表した牛用抗菌剤「ドラクシンKP」は、大いに注目を集めています。この製品は、既存の「ドラクシン」の効果を継承したうえで、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)に分類されるケトプロフェンを組み合わせたことから、解熱効果も備えた革新的な注射剤となっています。
特徴と効果
ドラクシンKPは、ツラスロマイシンとケトプロフェンを主要成分としており、以下のような基本情報があります。
- - 販売名: ドラクシンKP
- - 成分および分量:
- ツラスロマイシン: 1mL中に100mg
- ケトプロフェン: 1mL中に120mg
医療的効果
ドラクシンKPは、特定の有効菌種に対して効果を発揮します。具体的には、マンヘミア・ヘモリチカ、パスツレラ・ムルトシダ、ヒストフィルス・ソムニ、マイコプラズマ・ボビスなどの細菌による発熱を伴う肺炎に適応しています。特に、生後13ヶ月を超える雌の乳牛に使用できるが、食用として搾乳しなくなった牛は対象外となるため、使用時には注意が必要です。
使用方法
本剤の使用方法は、牛の体重1kgに対してツラスロマイシン2.5mg(力価)およびケトプロフェン3mgを単回皮下注射する形です。また、ドラクシンKPの使用禁止期間は、食用としてと殺する前の24日間とし、開封後の使用期限は56日とされています。これにより、従来品に比べてより利便性が向上したと言えるでしょう。
ゾエティス・ジャパンの背景
ゾエティスは、動物用医薬品の開発・製造・販売において世界をリードする企業です。犬猫といったペット用医薬品や、牛豚鶏などの畜産用製品、さらには動物用ワクチンにいたるまで、非常に幅広い製品ラインナップを誇ります。さらに、遺伝子検査や診断検査など多様なサービスも展開し、国内外で高い評価を受けています。2023年度には、驚異的な総収益85億ドルを達成し、フォーチュン500にも選出された実績があります。
おわりに
ドラクシンKPの発売は、牛の健康管理において大きな進展を意味します。この製品が多くの牛に効果を発揮し、農家の皆様にとっても心強い助けとなることを期待しています。今後の利便性や効果に関するデータも楽しみにしています。また、本剤は要指示医薬品に該当するため、使用する際は必ず獣医師等の処方箋に従い慎重に取り扱うようにしましょう。