セイコーソリューションズが次世代時刻同期技術を実現
2025年10月14日から17日まで、幕張メッセで開催された「CEATEC 2025」において、セイコーソリューションズ株式会社が共同開発した分散型時刻同期技術「クラスタクロック」についての概念実証機が展示されました。この展示は、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)との共同研究の成果であり、高精度かつ高信頼な時刻同期技術の実現に向けた重要なステップとなります。
クラスタクロックとは?
「クラスタクロック」は、次世代の通信インフラに向けて創出された、分散型の時刻同期アルゴリズムです。この技術は、特に「Beyond 5G(6G)」時代のネットワークにおいて、異なる装置間での時刻情報を的確に同期させるためのものです。セイコーソリューションズは、小型原子時計を活用し、有線による精確な時刻と周波数の同期技術を開発しています。
展示でのデモンストレーション
「CEATEC 2025」では、クラスタクロックの概念実証機が実際のデモンストレーションを通じて、その性能が披露されました。ここでは、0.1ナノ秒レベルの精度で時刻を同期させることが可能であることが示され、多くの来場者の関心を集めました。特に注目された点は、ネットワークの断続的な問題や遅延の変動に対する強靭さであり、複数のクロックが相互に時刻情報を補完し合うことで、全体の同期が維持される仕組みです。
未来に向けた取り組み
セイコーソリューションズは、持続可能な社会において求められる柔軟性や高信頼性、省電力性を兼ね備えた時刻同期環境の実現に向けた研究開発を推進しています。また、NICTや他の研究機関、企業との連携を強化し、地域の高精度時刻配信プラットフォームの社会実装に貢献していく方針です。これにより、現在のGNSS技術への依存度を軽減し、より信頼性の高い技術基盤を提供しようとしています。
「クラスタクロック」の影響と意義
この新しい技術は、IoTや自動運転車、さらには産業用ロボットといった分野でますます重要になると考えられています。時刻同期の精度は、データ通信だけでなく、システム全体の信頼性にも直結するため、クラスタクロックは新しいネットワークインフラの中核を担うことが期待されています。
さらに、セイコーソリューションズが手がけるこの研究は、国内外の高度な技術を持つ企業とのコラボレーションを通じて、より効果的かつ信用性のある時刻同期の実現へと繋がります。
参考リンク
総務省の研究開発に関する記事
技術の発展がすすむ中で、セイコーソリューションズはこれからも革新を追求し、次世代社会の一翼を担う企業としての役割を果たすことが期待されます。