こんにゃく抽出物が睡眠の質に及ぼす影響とその研究成果

こんにゃく抽出物がもたらす睡眠改善の新たな可能性



近年、睡眠の質が健康に与える影響が注目されています。株式会社ダイセル(本社:大阪市北区)が、仙台白百合女子大学および東北工業大学との共同研究を通じて、こんにゃく抽出物の摂取が睡眠に良い影響を及ぼすことを確認したと発表しました。この研究成果は、「日本睡眠学会第49回定期学術集会」で発表され、さらには「ベストプレゼンテーション賞」の候補にも選ばれました。

研究の概要


この研究では、リン脂質およびセラミドを豊富に含むこんにゃく抽出物を使用し、その摂取が睡眠にどのように影響するかを調査しました。特に注目されたのは、レム睡眠の持続時間と出現割合に関する差異です。

被験者には、こんにゃく抽出物を含むカプセルを6週間にわたり摂取してもらい、その結果を多角的に評価しました。ノンレム睡眠に関しては目立った差は見られなかったものの、レム睡眠は明らかに改善されていることが確認されました。具体的には、摂取前後でレム睡眠の持続時間が有意に増加したという結果が得られたのです。

レム睡眠について
レム睡眠は説明の必要があるかもしれませんが、睡眠の中でも特に脳が活発に活動している段階です。この時間帯には、記憶力や創造性、精神的な安定感が向上し、美容効果も期待されるとされています。

リン脂質の効果


リン脂質は、植物や動物に豊富に含まれる複合脂質で、特にグリセロリン脂質が一般的です。特にホスファチジルコリン(レシチン)は、マヨネーズなどの乳化剤として親しまれています。この研究では、いくらなどに含まれるリン脂質が睡眠改善に寄与することが報告されています。

セラミドの役割


一方、セラミドは肌バリア機能を改善し、体全体の潤いを保つ効果が期待されます。経口摂取を行うと、消化管で分解・代謝され、体内を循環します。このため、美容関連のサプリメントや飲料にも広く利用されているのです。

ダイセルでは、こんにゃく製造過程で生じる未利用資源「飛び粉」からセラミドを抽出する技術を開発しました。このように、廃棄物から有用な資源を生み出すアップサイクル素材としての活用も目指されています。

今後の展望


今後、ダイセルはこの研究を基に、美容と健康の両面から実用的な製品の開発に取り組む予定です。こんにゃく抽出物の特性を最大限に活かし、睡眠の質を向上させる新たな製品が期待されます。睡眠に悩む方々にとって、こんにゃく抽出物が新しい解決策となるかもしれません。

この研究の成果は、今後の睡眠改善食品市場にも波及効果が期待されており、さらなる研究・開発の進展に目が離せません。

会社情報

会社名
株式会社ダイセル
住所
大阪市北区大深町3-1グランフロント大阪タワーB
電話番号
06-7639-7171

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