第6回環境シンポジウムが日光市で開催
「いのちをつなぐ宝物、ここにあり」。このテーマの下、杜の財団と風土再生学会が主催する第6回環境シンポジウムが、2025年8月1日から3日まで日光市にて開催されます。このシンポジウムは、私たちが生活する中での自然との関係を再考する貴重な機会です。
繋がりを失った風土
私たちの日常生活は、高度に発展したシステムによって組織されていますが、その影で日本の風土は様々な人為的な介入によってその形を変えてきました。戦後80年が経過し、急速な都市化に伴い、自然を切り離す現代の構造物が増加しています。これにより、自然生態系と人間社会の関係が断絶されつつあり、あらゆる危機を引き起こしています。このため、シンポジウムの開催が重要となったのです。
先人たちの知恵とその継承
日光市は、1999年にユネスコ世界文化遺産に登録された「日光の社寺」が存在し、その文化的な価値が世界的に認められています。しかし、その日光でも自然環境の変化が顕著です。特に、昔からのシンボルである杉並木が減少していることは、かつての自然環境が今、危機に瀕していることを示しています。
このシンポジウムでは、古くからの「風土」について深く考える機会が設けられます。江戸幕府によって設計された日光東照宮には、自然と調和する技術が組み込まれており、それをどのように現代に活かすかを探ります。過去の人々が自然を敬い、共生を図ってきた例を学ぶことで、現代においても自然との調和を見出すための教訓を得ることができるでしょう。
シンポジウムプログラム
シンポジウムは全3日間にわたり、フィールドワークと講演が組まれています。初日は日光東照宮のフィールドワークを行い、社寺保存の技師からの話を聞く予定です。2日目には、日本の風土についての討論や講演が行われ、3日目には足尾銅山での植樹活動を通じて再生の手法を体験します。これらのプログラムは、参加者が自然の中で新たな知見を得る機会となります。
このシンポジウムは、現代社会が抱える環境問題を考え直し、私たちの生活を見直す契機となることを目指しています。この貴重な機会を通じて、多くの人々が風土の再生に向けたアクションを起こすことを期待しています。