2024年度版決定年収レポート:転職市場の動き
パーソルキャリア株式会社が提供する転職サービス「doda」は、2024年度版の決定年収レポートを発表しました。このレポートは、2019年4月から2024年3月までの期間に「doda」のエージェントサービスを利用して転職した方々のデータに基づいており、年収の推移や職種別の分析が行われています。
決定年収の推移
レポートによると、過去6年間での決定年収は約40万円の上昇を記録。特に、転職によって年収が増加した人の割合が59.3%を達成したことは、過去最高の記録です。これは、企業の人材不足から賃上げを行う動きが広がり、異業種からの人材採用が進んだことが寄与していると考えられます。
転職による年収変動
年収が増加した人の割合は2019年度の51.9%から、2024年度には59.3%へと上昇しました。これはつまり、転職によってより多くの人が年収アップを実現しているということ。その背景には、大手企業が賃上げを進める中で、転職を考える人々が新たなチャンスを求めている姿が浮かび上がります。
業種別年収上昇幅
IT・通信
2024年度の業種別年収上昇幅ランキングでは、最も高いのは「IT・通信」で、前年より17万円の増加を見せました。この理由としては、即戦力人材の需要が高まっていることや、大手企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を進めていることが挙げられます。
旅行・宿泊・レジャー
続いて「旅行・宿泊・レジャー」が前年から15万円増加し、特に旅行業界では円安が影響し、国内外の旅行需要が高まっています。この市場環境のもとでエンジニアの採用が進み、決定年収も押し上げられています。
エネルギー関連
「エネルギー」の分野でも14万円の上昇が見られ、これは再生可能エネルギーの分野で専門人材の採用が進んでいることによるものです。これらの業種では、企業が高い年収を提示することで優秀な人材を確保しようとしています。
職種別年収上昇幅
職種別のランキングでは、「技術職(組み込みソフトウェア)」が15万円の増加で1位となりました。電気自動車や防衛関連の需要が背景にあります。一方で「クリエイター・クリエイティブ職」が14万円、そして「企画・管理」が13万円の上昇を見せています。これら全ての職種で、即戦力人材のニーズが高まっていることが特徴的です。
今後の展望
労働力不足がさらに深刻化する中で、即戦力人材の需要は今後も高まり続けると予想されています。これに伴い、企業が高年収を提示して採用競争を勝ち抜く動きも続くでしょう。これからの転職市場において、年収の上昇は引き続き注目されるポイントといえます。
まとめ
転職サービス「doda」が提供する最新の年収レポートは、転職市場の変化や各業種・職種の動向を示しています。今後もこのトレンドが続けば、より多くの人が転職を通じて年収をアップさせる環境が整っていくことでしょう。これからの転職を考える方々にとって、有益な情報となることが期待されます。