JFEエンジニアリングの新たな挑戦
JFEエンジニアリング株式会社は、秋田県にて男鹿・潟上・秋田Offshore Green Energy合同会社が行う洋上風力発電事業にて、国産モノパイルの製造と輸送業務を受注しました。このプロジェクトは、日本で初めて一般海域における洋上風力発電に特化した国産モノパイルを使用する事例となり、その運転開始は2026年から2027年に予定されています。
モノパイルとは
モノパイルとは、洋上風力発電設備の基礎構造物であり、深い水中での安定性を確保するために設計されています。この基礎の重要性は、風力発電設備の耐久性と発電の効率性に直結します。
国内唯一の製造拠点
モノパイルの製造は、岡山県笠岡市に位置するJFEスチールの笠岡モノパイル製作所で行われます。ここでは、長年にわたる大型鋼構造物の製造で培われた高い加工・溶接技術を基盤とし、極厚鋼材の高品質な溶接を実現しています。使用する鋼板は「J-TerraPlate®」という特別な素材で、重量約2,500トンの超大型モノパイルを年間50本製造できる能力を持っています。
生産体制の強化
製作所は広大な敷地を活かし、十分なストック力を強化しています。さらに、モノパイル専用の輸送船を確保しているため、現場の施工状況に応じたフレキシブルな出荷と輸送を行うことが可能です。これにより、効率的なプロジェクト運営が期待されています。
環境への貢献
JFEエンジニアリングは、長年のモノづくりを通じて築かれた信頼を元に、洋上風力発電事業に貢献する体制を整えています。モノパイルの詳細設計から製造、輸送までを一貫してサポートし、再生可能エネルギーの普及拡大、さらにはカーボンニュートラル社会の早期実現に向けた重要な役割を担っています。
プロジェクトの詳細
本事業における受注範囲は、モノパイルおよびトランジションピース21基の製造と輸送です。工期は2026年1月から2027年3月を予定しており、合計約43,000トンの鋼材が使用されます。モノパイルは最大で重量約2,000トン、直径10.5メートルに達し、トランジションピースも最大で重量500トン、直径9.6メートルと、非常に大規模なプロジェクトとなります。
このような挑戦によって、JFEエンジニアリングは国内の洋上風力発電の未来を見据え、新たな価値を創出し続けていくことでしょう。