東京電力とインフォメティスによる機器分離技術の共同実証
近年、持続可能なエネルギーの使用促進に向けた取り組みが注目されています。その中でも、東京電力とインフォメティスが共同で実施した機器分離技術の実証プロジェクトは特に興味深いものです。このプロジェクトは、2015年3月から2016年3月までの1年間にわたり、首都圏の約300世帯及び法人オフィス・商店など約20カ所を対象として行われました。
実証内容
今回の実証においては、家庭向けと法人向けにそれぞれ異なるアプローチでの取り組みが行われました。家庭向けでは、家電ごとの使用状況を視覚化し、さらにそのデータを基にした新たな付加サービスの検討が行われました。法人向けでは、空調機器などの使用状況の見える化を通じて、データを活用したコンサルティングサービスも展開されました。
家庭向けのアプローチ
家庭においては、利用者がその日の電力消費状況を一目で確認できるアプリケーションが導入されました。このアプリは、1日の使用状況や月の使用量の内訳を簡単に把握できる機能を備えており、家庭での電力使用を効率化するための手助けとなります。
法人向けのアプローチ
法人向けには、使用量分析が可能なサマリー画面や詳細画面が提供され、企業が自身のエネルギーコストを削減するためのサポートが行われました。これにより、経営者は施設ごとの電力使用状況をリアルタイムで把握し、必要な対策を迅速に行うことが可能になります。
機器分離技術の概要
このプロジェクトの肝となるのが「機器分離技術」です。この技術は、分電盤に接続された機器が消費する電流の波形を観測し、それを利用して各機器ごとの電力消費を解析、分離するというものです。クラウド上で機械学習を利用したAIがデータを処理し、個別の機器ごとの電流波形を推定します。
技術の特徴
1.
センサー設置の簡便さ: センサーを簡単に設置するだけで各機器のデータを収集でき、特別な個別測定は不要です。
2.
クラウド利用による常時更新: AIがクラウドで稼働するため、システムは常に最新の状態が保たれます。
3.
コスト削減: センサーの構造がシンプルであるため、低コスト化が容易です。
4.
通信量の削減: 独自の圧縮アルゴリズムにより、センサーとクラウドの通信量が最小限に抑えられます。
5.
短時間使用の把握: 1秒ごとのデータ計測が可能で、特に短時間での機器利用(例: 電子レンジ)を見逃しません。
インフォメティス社の概要
インフォメティス株式会社は、2013年に設立され、AIと機械学習によるデータ分析に強みを持つ企業です。同社は、この機器分離技術を通じて「エネルギーデータによるスマートライフの実現」を目指しています。
お問い合わせ
この技術について更に知りたい方は、インフォメティスの公式ウェブサイト(
www.informetis.com)をご覧いただくか、直接メール(
[email protected])にてお問い合わせください。