景観と利便性を両立した京都のゴミステーション導入事例

京都らしさを大切にした新ゴミステーション

京都市下京区で新たに導入されたゴミ集積庫、「スライドダスポン」は、地域の景観を損なわず、効率的にゴミを管理するための画期的なシステムです。このプロジェクトは、金属製品加工を専門とする株式会社ナカノが開発したもので、地域の自治体と財団が協力して実現しました。実際の導入に至る経緯や導入後の評判について詳しくお伝えします。

導入の背景

このプロジェクトが始まったのは、約2年前のことでした。地域の会長様から「ゴミ出しのマナーを向上させたい」「見た目を改善したい」という声が上がり、この課題に取り組むことが決定されました。まずは、ルール掲示や注意喚起からスタートし、その後、状況が改善されない場合に新たなゴミステーションの設置を考えることになりました。

以前はネットで覆う簡易的なゴミステーションが使用されていましたが、それでは不適切なゴミ出しを助長する恐れがあり、問題は解決されませんでした。ちょうどそのタイミングでゴミステーション横の川の護岸工事も行われることになり、「ならばこの機会に、景観に調和するゴミ集積庫を設置しよう」という意見が生まれました。調査の結果、株式会社ナカノの「ダスポン」が適していると判断され、採用に至ったのです。

スライドダスポンの特徴

「スライドダスポン」は、周囲の景観に溶け込む美しいデザインが特徴です。特に回収業者の方々にとって使いやすい設計がされています。足元まで大きく開く扉は、作業者の腰への負担を軽減し、効率的な作業を実現します。また、スライド扉は簡単にゴミ袋の投入ができるため、使用する方々の負担を軽減します。

設置当日の様子

2025年8月上旬、設置日を迎えました。現場には営業担当と作業員の2名が駆けつけ、迅速に設置作業を終了させました。今回選ばれた扉の色は左側が「ナチュラルウォールナット」、右側が「ホワイトオーク」。落ち着いた木目調のデザインは、周囲の街並みと絶妙にマッチしています。

導入後の感想

設置から1か月後に行われた取材では、地域の会長様から喜びの声があがりました。「設置前は観光客のマナーが悪化し、カラスによる被害があったが、スライドダスポンのおかげで環境が改善された」というお話をいただきました。地域の環境や景観に対する意識が高い方々のおかげで、この美しい状態を維持していくための努力が続けられています。