米沢織の魅力を引き出した新しいテキスタイルコレクション
米沢織は、江戸時代から続く伝統的な手法で作られた絹織物です。その起源は、米沢藩の第9代藩主上杉鷹山による青苧を用いた縮織にさかのぼります。この製品は、当初から地域資源の活用に重点を置いており、養蚕から織物の生産までを自ら行う体制が確立されました。江戸後期にはその優れた技術が全国的に知られるようになり、現在では多様な繊維を使った製品が多く生み出されています。
2023年、米沢織りの織元である安部吉が「インテリアライフスタイル展」に出展し、居心地の良さを追求した新たなプロトタイプが紹介されました。この新たな試みに至った背景には、新型コロナウイルスの影響で人々のライフスタイルが大きく変化したことがあります。外出自粛によって、家で過ごす時間が増える中、安部吉は「着心地の良さ」を室内空間に生かし「居心地の良さ」を提案することにしました。
空間テキスタイルのプロトタイプ
展覧会では、様々なプロトタイプが展示されました。特に注目を集めたのは「織扉」と「ブラインド」、「パーテーション」です。
織扉
このプロダクトは、ジャガード織りにより高級感のある見た目を持ちます。生地のバリエーションが豊富で、洋室や和室を問わず利用できます。また、布を使用することで風通しが良く、隣室とのつながりも感じることができるため、柔らかな印象を与えます。
ブラインド
ブラインドは、光の量や外からの視線を調整することができます。生地の厚みによって異なる陰影を作り出し、クッション性と柔らかさを兼ね備えたデザインが空間を美しく演出します。厳格なスタイルからリラックスした雰囲気まで、様々な用途に応じてカスタマイズできます。
パーテーション
このパーテーションは絹の一枚布を使用しており、独自の自立性と高級感を持っています。圧迫感が少なく、風通しが良いため、自由な空間区切りを提供します。細部にまでこだわったディテールが、空間の質を格段に高めています。
安部吉の企業理念と歴史
安部吉は1905年に創業し、伝統を受け継ぎつつ革新を続ける企業です。米沢のテキスタイル業界においては、品質を重視した多品種少ロットの生産を得意としています。特に高級感のある製品を提供する点において、国内外の大手ブランドから評価されている存在です。
天然繊維や化学繊維を組み合わせることによって、多様な製品ラインを展開し、アパレル業界との関係も深いという特徴があります。独自のコンセプトとデザインへの柔軟な対応力により、数多くの企業や消費者から信頼を受けています。
高級素材と先進的なデザインを融合させた米沢織に新たな価値を見出し、今後の展開に期待が高まります。安部吉の取り組みは、私たちの暮らしの質を一層豊かにしてくれるでしょう。
会社情報
- - 会社名: 株式会社安部吉
- - 所在地: 山形県米沢市中央2丁目5番17号
- - TEL: 0238-23-4674
- - 代表取締役社長: 安部 吉弘
- - 設立: 昭和27年10月(創業明治38年10月)
- - 安部吉公式サイト