新たな自動化がもたらす食品加工業の未来
日本初の特許を出願中である「ドリップシート・トレイ供給装置」が、熊本県八代市の株式会社エーブルで運用を開始しました。この装置は、スーパーやコンビニのセントラルキッチンにおける精肉や惣菜の盛り付け作業において画期的な変化をもたらします。
古川機工株式会社が開発したこの装置は、単調なドリップシートの投入作業を自動化する機能を備えています。従来、この作業はアルバイトを雇い、毎日時間をかけて行わなければなりませんでしたが、装置の導入により作業効率が劇的に向上しました。実際、エーブルでは1日に7,000枚以上のドリップシートを手作業で入れていましたが、これが今では1時間で約2,000枚の投入が可能になったのです。
この装置が実際に運用されている現場では、従業員の多くが機械の操作に慣れ、以前のような不安を抱える必要もなくなりました。特に、毎回異なるアルバイトスタッフが来ることで発生していた手間やストレスが軽減され、今では仕事の効率が飛躍的に向上しています。それに伴い、以前は時給1,000円でアルバイトを雇用し続けていた経費も、大幅に削減されたという声が上がっています。
自動化の重要性とその背景
少子高齢化や海外実習生の確保が厳しい現代において、食品加工業界は急激な労働力不足に直面しています。そうした中で、自動化の必要性が強く求められています。特にドリップシートの投入作業は自動化の妨げとなっていたため、古川機工が開発したドリップシート・トレイ供給装置は業界にとって待望の解決策となったのです。
この新しい装置は、タッチパネルで簡単に指定枚数を設定し、ユーザーは後はスタートボタンを押すだけで作業を開始できます。これにより、作業のプレッシャーから解放され、従業員は他の重要な作業に時間を割けるようになります。
エンドユーザーの声
エーブルの従業員からも好評を得ており、「今までの半分の時間で作業を完了できるようになり、別の作業も同時に進められるため、全体的な仕事の効率が向上しました」といった意見が寄せられています。また、「設定は少し面倒に感じることもありますが、慣れるとすぐに操作でき、もう手作業には戻りたくない」という声もあるようです。
未来への展望
古川機工は、今後もエンドユーザーのニーズに耳を傾け、より使いやすい製品を開発し続けることを約束しています。また、SDGsに則った持続可能な社会の実現にも貢献していく意志を示しています。本装置が普及することで、精肉や鮮魚、惣菜など幅広い業種での省人化が進むことでしょう。
これからの食品加工業界において、ドリップシート・トレイ供給装置は、欠かせない存在となり、さらなる効率化とコスト削減を実現することが期待されています。