電通と五社が展開する循環経済プラットフォームの成功裏実証実験

循環経済の新たな試み「で、おわらせないPLATFORM」

株式会社電通が、電通プロモーションプラス（電通PMP）とともに展開する「で、おわらせないPLATFORM」が話題を呼んでいます。このプラットフォームは、環境省や経済産業省が掲げる循環経済パートナーシップ（J4CE）の注目事例に選ばれました。

「で、おわらせないPLATFORM」の概要

このプラットフォームの主な目的は、空き容器の回収とリサイクルを促進することです。一般消費者にとって、回収やリサイクルは手間がかかり、企業側もコスト面での負担が大きいという課題が存在します。そこで、電通は「回収・リサイクル」とクーポンなどの「販促」を組み合わせることで、生活者と企業、リサイクル業者が協力できる仕組みを作り上げました。

実証実験の実施

この取り組みの実証実験は、2023年11月30日から2024年1月30日にかけて、電通PMPをはじめとするローソン、明治、ナカダイHDの5社との協働で行われました。具体的には、「明治おいしい牛乳」のような紙パック商品やプラスチック製のキャップを、指定されたローソン店舗に設置された回収ボックスに投入することで、割引クーポンを発行するシステムです。

結果と効果

実験の結果として、回収された紙パックのリサイクル率は驚異の99％に達しました。さらに、これらの紙パックが焼却処分された場合と比較して、二酸化炭素の排出量が1.514kg-CO2削減されることが明らかになりました。クーポン引き換え率も16.2%に達し、想定を上回る結果を示しています。

この実証実験は、生活者とメーカー、リサイクル業者がデジタルプラットフォームを通じてつながることにより、サステナブルな社会の実現を目指しています。特にマーケティングの視点を取り入れたことで、生活者の意識や行動の変容を促進する効果も期待されています。

今後の展望

電通は、今回の実証実験を踏まえ、循環型社会の実現に向けたさらなる取り組みを進めていく方針です。「サステナブルカスタマー」と呼ばれる意識の高い消費者層に向けて、さらなる活動を展開し、企業の成長にも寄与していくとしています。

業界全体が回収活動やリサイクルへの参加を促進することで、持続可能な社会の実現に向けて一層の努力が求められる今、電通の「で、おわらせないPLATFORM」はその一助となることでしょう。