IoTと生成AIがもたらす新たな設備監視DX
近年、技術革新が進む中で、製造や物流業界においてもデジタル化の波が押し寄せています。その中でも注目を集めているのが、株式会社ニチレイ・ロジスティクスエンジニアリングが導入したIoTプラットフォーム「BizStack」による設備監視業務の効率化です。この取り組みは、冷凍倉庫を運営するニチレイロジグループの低温物流事業において、具体的な成果を上げています。ここでは、その背景、導入の結果、今後の展望について詳しく見ていきます。
導入背景と抱える課題
ニチレイロジグループの一員として、低温エンジニアリングサービスを担当するニチレイ・ロジスティクスエンジニアリングは、日本各地に散らばる冷凍倉庫の設備監視を行っていました。しかし、個別の冷凍機に接続されたセンサーがメーカーごとに異なる仕様だったため、データの一元管理が困難でした。さらに、各拠点の稼働状況を把握するために、現場担当者が個別にデータ収集を行う必要があり、小規模な施設では隣接する拠点に担当者が足を運ぶこともありました。冷凍機に異常が発生した際には、メールによる通知のみで状況把握が困難であり、特に夜間や休日における迅速な対応が求められる場面では、負担が大きくなるという課題もありました。
BizStack導入後の成果
「BizStack」の導入は、ニチレイ・ロジスティクスエンジニアリングにとって大きな転機となりました。その成果は主に以下の三点に集約されます。
1.
データの一元化
全国の冷凍倉庫から集められた稼働データをクラウド上に集約することで、リアルタイムで各拠点や本部の状況を確認可能にしました。これにより、エリアマネージャーや本部の管理者が迅速かつ効果的に意思決定を行えるようになりました。
2.
業務効率の向上
紙での回覧が行われていた日報の承認プロセスをデジタル化し、一連の手続きにかかる時間を大幅に短縮しました。また、遠隔でアラートの内容を確認できることで、夜間や休日の対応もスムーズとなり、担当者の負担も軽減されました。
3.
データの活用拡大
拠点間の稼働データ比較が容易になり、冷凍機の運転効率を向上させるための具体的な知見が蓄積されていきました。このデータは施設運用の最適化や長期的な改善計画の基礎資料としても活用されています。
BizStack導入のポイント
ニチレイ・ロジスティクスエンジニアリングが「BizStack」を選択した理由は多岐にわたりますが、特筆すべきは柔軟なカスタマイズ性と迅速な対応力です。ユーザーのニーズに応じてUIや機能を調整できるだけでなく、導入初期の現場調査やその後の改善希望にも速やかに対応しました。特にコストパフォーマンスの良さが、大手ベンダーとの競争を勝ち抜く要因となりました。
今後の展望
今後、ニチレイ・ロジスティクスエンジニアリングは全国の倉庫へのシステム拡展を進めると同時に、他のシステムとの連携も強化していく計画です。さらに、ニチレイグループ外の冷蔵倉庫会社や食品企業向けに、MODEと共同開発したシステムを新たな付加価値サービスとして外販する構想も抱いています。このような取り組みを通じて、業界全体の生産性向上を目指しています。
BizStackについて
「BizStack」は、企業の現場デジタル化を加速させるためのIoTプラットフォームです。このプラットフォームは、ヒト・モノ・環境のデータを収集し、蓄積、活用することによって、企業の現場業務を格段に効率化します。利用開始は簡単で、ゲートウェイ・データ基盤・BIがオールインワンで備わっていることが特徴です。
まとめ
ニチレイ・ロジスティクスエンジニアリングの取り組みは、技術とデータの融合によって、業務の効率化と持続可能性を実現する素晴らしい事例です。今後の展開が待たれる「BizStack」の進化と、それがもたらす影響は、業界全体の革命を促進することでしょう。