Green Carbon株式会社は、フィリピンのブラカン州において、水田プロジェクトの開発に向けた覚書を結びました。このプロジェクトは、フィリピン北部ルソン島に位置し、2024年度から開始される予定です。プロジェクトの規模は約800ヘクタールであり、2030年までには約30,000ヘクタールに拡大していく方針です。
この覚書(MOA)は、2国間クレジット制度(JCM)によるもので、Green Carbonは自然由来のカーボンクレジットの創出に注力しています。フィリピンは、年間約6,000万トンの農業由来の温室効果ガス(GHG)を排出しており、国は2030年までにこの数値を75%削減する目標を掲げています。
特に水田から排出されるメタンガスの抑制が注目されており、推定で約2,405万トンのCO2削減が見込まれています。このプロジェクトは、フィリピン大学との協力を通じて、間断灌漑(AWD)技術を導入し、メタン排出量を削減することを目的としています。
ブラカン州政府も、農家へのAWD技術の奨励やトレーニング支援を通じて、プロジェクトを全面的にサポートします。これにより、地域の農家は持続可能な農業技術を学び、収益を向上させることが可能になります。Green Carbonはプロジェクトの管理からカーボンクレジットの創出に至るまで、包括的に支援を行う予定です。
ブラカン州は、稲作が盛んな地域であり、マニラから近く、国内の食料供給において重要な役割を果たしています。肥沃な土壌と豊富な水資源が特徴で、多くの農家が年間2回の収穫を行っており、灌漑技術の改善も進められています。
Green Carbonの活動は、環境保全と地域経済の活性化を同時に実現することを目指しています。今後も持続可能な農業の実現に向けて、フィリピンでの展開を進めていく方針です。これにより、地球環境の保護にも寄与できることが期待されています。
今回のMOA締結は、Green Carbonにとって重要な一歩であり、その後のプロジェクトの成功を期待させるものです。持続可能な未来に向けた取り組みとして、多くの注目が集まっています。