断熱・省エネリフォーム推進タスクフォースの発足
この度、住友不動産株式会社が主体となり、三協立山株式会社、JBN・全国工務店協会、住宅開口部グリーン化推進協議会(AGW)、住友不動産ハウジング株式会社、株式会社LIXIL、およびYKK AP株式会社と共に、「断熱・省エネリフォーム推進タスクフォース」(以下「本TF」)を設立しました。
この新団体は、環境省が進める「デコ活」、すなわち脱炭素社会の実現に寄与する新しい国民運動の一環として活動します。本TFの目的は、既存住宅の断熱・省エネリフォームの普及と拡大を図り、2030年度の温室効果ガス削減目標の実現に寄与することです。家庭部門が総CO2排出量の1/7を占めている現状に鑑み、特に断熱改修の必要性が高まっています。
発足式の実施と強い決意
発足式には、環境省の杉井威夫氏をはじめ、参加企業の代表者が集まり、本TFの設立に関する発表が行われました。住友不動産の岡田時之氏は「業界の枠を超え、断熱・省エネリフォームの認知度を高め、持続可能な社会の実現に貢献する」と力強く述べ、今後の活動に対する決意を表明しました。
「デコ活」とは
環境省が推進する「デコ活」は、CO2排出削減を目指す新しい取り組みであり、「脱炭素(Decarbonization)」と「環境に良い(Eco)」を合言葉にしています。この運動は2050年のカーボンニュートラル達成を目指し、国民が日常生活でできる具体的な方法を提示するものです。
2024年2月には、生活関連のCO2排出削減に向けたロードマップが発表される予定で、生活者視点での具体的な課題と解決策が提示されることになっています。
断熱・省エネリフォームの課題
2050年にカーボンニュートラルを達成するためには、家庭部門の脱炭素が欠かせません。しかし、2024年には現行の省エネ基準を満たさない住宅が約82%、無断熱の住宅も約24%にのぼると予測されています。これらの既存住宅を全て新築で代替するのは困難なため、既存住宅のリフォームが重要な課題となります。
ただし、既存住宅のリフォームは新築住宅に比べて、改修の義務化が難しく、消費者にとっての十分な動機付けができていないのが現状です。また、工事費用や適切なリフォームの判断が難しいことも障害となり、流通市場でもその価値が評価されづらいという問題があります。
本TFの活動内容
本TFでは、認知拡大分科会、営業力強化分科会、技術力強化分科会を設立し、それぞれの役割で連携強化を図ります。特に初年度には、省庁や地方自治体との協力を得ながら、断熱・省エネリフォームの普及啓発活動を行います。
- - 認知拡大分科会:消費者に対して、断熱・省エネリフォームの利点をわかりやすく伝えるPR活動を展開します。
- - 営業力強化分科会:営業担当者の知識を向上させるための勉強会を設け、効果的な情報提供を目指します。
- - 技術力強化分科会:現場の技術者のスキル向上を図り、より質の高い施工を可能にするための支援を行います。
さらに、各種イベントを開催し、消費者に対して健康・経済・環境メリットを中心に情報を発信します。スローガンは「家族の幸せ、まずは断熱」とし、啓発を通じて家庭内の快適性向上を図ることを目指しています。
結論
断熱・省エネリフォーム推進タスクフォースの発足は、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩です。業界団体が連携して取り組めば、認知度向上や普及の促進が期待され、家庭部門の脱炭素化が進むことで、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた大きな力となるでしょう。今後の活動に注目です。