法律特化AI『Legal Brain』、司法試験で驚異の96.5％正答率を達成

法律特化AI『Legal Brain』の驚くべき成績

弁護士ドットコム株式会社が開発した法律特化AI『Legal Brain』が、2025年度の司法試験（短答式）において、175点満点中169点、正答率96.5%という驚異的な成果を上げました。この成績は、受験者の中での最高得点167点をも上回るもので、法律分野でもAIがもたらす可能性について注目が集まっています。

試験の難しさと『Legal Brain』の実力

今年度の司法試験は、昨年よりも平均点が約10点ほど低い難化傾向が見られました。にもかかわらず、法律特化AIである『Legal Brain』は過去最高レベルの精度を誇り、その実力を証明しました。AIが持つデータベースと検索能力が、いかに高精度な答えを導き出すのかを見ていきます。

技術的背景：革新的なデータベースと検索技術

『Legal Brain』が成功を収めた理由は主に二つの技術的優位性にあります。

1. 国内最大級の法律知識データベース
このAIは、法令、判例、ガイドラインを含む基本的な法律情報の他に、約50社の出版社との提携によって実現した約2,400冊の専門書籍や、30万件以上に及ぶ判例を網羅したデータベースを持っています。このデータベースを利用することで、オフラインでは得られない信頼性の高い情報を提供し、高度な専門知識を必要とする司法試験に対応しています。

2. 高精度の情報検索能力
『Legal Brain』は、質問の意図を正確に理解し、膨大な情報から最適な文献を選ぶ能力を誇ります。この能力を支援するのが独自に開発されたナレッジグラフ『Legal Graph』です。これにより、文脈を理解した精度の高い検索が実現し、利用者はより的確な情報を引き出すことが可能になります。

司法試験（短答式）の構成と結果

2025年度の司法試験は、「憲法」「民法」「刑法」の3つの科目から構成されており、合格には81点以上を得る必要があります。今年の受験者の平均得点は102点でしたが、最高得点を記録した『Legal Brain』はその成績で司法試験においてのAIの可能性を示しました。

汎用AIとの比較

『Legal Brain』の高い正答率は、単に解答を生成するだけでなく、すべての回答について根拠となる法令や判例、専門書籍などを的確に引用している点が特徴です。これに対し、汎用AIは回答を生成する際にその根拠を示すことが難しい場合が多く、法律業務においては『Legal Brain』が提供する正確性と透明性が際立っています。

未来への展望

弁護士ドットコムは、今後も『Legal Brain』の精度や速度を向上させるとともに、法律関連のコンテンツを整理・拡充していく予定です。具体的には、AIの進化を図り、法務のあらゆるプロセスをより高速かつ正確に支援していくことを目指します。その結果、『Legal Brain』は「リーガルの民主化」を推進し、誰もが信頼できる法的知識にアクセスできる社会の実現に寄与していくことでしょう。

『Legal Brain』について

『Legal Brain』は、幅広い法律のデータを学習し、日本語の法律文脈に特化した言語理解を実現するAI基盤技術です。このAIの導入により、法律の情報処理が飛躍的に向上し、質の高い情報を迅速にアクセスできる未来が開かれるのです。

会社情報

弁護士ドットコム株式会社は、東京都港区に本社を置き、2005年に設立されました。現在は東京証券取引所のグロース市場に上場しており、法律関連のポータルサイトを中心に多岐にわたるサービスを展開しています。私たちはプロフェッショナルなテクノロジーで次の常識を作るという理念のもと、ユーザーに価値ある情報を提供し続けています。