レバノンで進行中のコレラ危機とユニセフの緊急対応
2024年10月18日、レバノンの北部アッカール県でコレラの症例が確認されたことを受け、国連児童基金であるユニセフは保健省および関係機関と協力し、直ちに緊急対応を始めました。この新たな健康危機に対し、ユニセフは子どもたちとその家族が安全で衛生的な生活を送れるよう、各種支援を強化しています。
緊急対応の内容
ユニセフは、特にコレラの流行リスクが高い地域で、以下のような多方面にわたる支援を展開しています。
浄水剤、消毒キット、家庭用衛生用品キット、ボトル入り水などを避難所や学校などへ提供し、衛生面での強化を図っています。
非公式な居住地域における貯水タンクの消毒や、浄化槽の汚泥除去作業を強化し、安全な水の供給を確保しています。
北レバノン県水公社には追加の塩素備蓄が提供され、水質検査に必要な資材も供給することで、水処理作業の維持を支援しています。
また、ユニセフは緊急医療キットとして経口補水塩(ORS)を含むセットを用意し、指定された公立病院に配備することで、下痢症の治療とコレラの症状への対応をサポートします。ユニセフ・レバノン事務所の代表、エドゥアルド・ベイグベデル氏は「私たちはレバノンの全ての子どもたちをコレラから守るために、あらゆる手段を講じています」と強調しました。
増大するリスク
レバノン内戦の影響で、衛生環境や水供給サービスは大きな打撃を受けています。特に混雑した避難所やキャンプでは、安全な水や衛生設備へのアクセスが困難で、コレラの流行拡大の懸念が高まっています。その中でも、特に5歳未満の子供や未予防接種の子供、栄養不足に苦しむ子供たちは、さらなる危機に直面しています。
ユニセフは、地域の保健関係者と連携しながら、感染症の予防や感染が疑われる場合の対処方法を伝授し、適切な衛生習慣を広めるための活動も行っています。
ベイグベデル氏は「現在、子どもたちへの危険が増大しており、特にコレラの流行は新たな脅威です。私たちの最大の願いは、停戦が実現し監視のもとで基本的なサービスが機能することです」と訴えています。
ユニセフへの支援のお願い
日本ユニセフ協会では、「人道支援緊急募金」を募っています。レバノンで苦境に立たされている子どもたちに必要な支援を届けるための協力を呼びかけています。寄付は、クレジットカードなどを通じて容易に行える他、郵便局を通じても受け付けています。寄付金は税制上の優遇措置が受けられるため、寄付者にとっても利点があります。
ユニセフの活動について
ユニセフは、すべての子どもが必要な権利を享受できるよう尽力する国連の機関です。さまざまな国と地域で活動する中で、特に厳しい状況に置かれている子どもたちのために多くの支援を行っています。その活動に賛同し、協力を求める声を広めることが、今、私たち一人ひとりに求められています。